第55話 4thダンジョン Ⅷ
「幽玄なる源泉よ。煌めく
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【
使用した相手のHPを1にする。
[レアリティ] ★★★
[種類]
[タイプ] 即効
[重量] 1
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ん?
なんでここでこのアイテムジェムを使うんだろう?
それは、エネミーに対して一発逆転を狙う時に使用するもので。
なぜか総長さんはそれを僕に投げ込んだ。
ガバァァーン!
【『積算配合の夢兆』の効果によって、
そんな表示がボディコンソールに映し出される。
「おいおーい。油断しすぎっしょ~。国崎く~ん」
:うわあああああ
:救いようがないわマジで
:言わんこっちゃない
:クズの本領発揮ww
:いい加減にしろよ
:エデンの活躍が見たいのに
:キレキレがやろうとしてることわかった
:あーあ
:最悪だわ
:エデン大丈夫?
「キミとはついさっき会ったばっかの他人じゃんー? 仲間とか思ってた? ハハッ。ないなーい! そんじゃ本当にコレ使っちゃうから。あとは頑張って生き残ってね~♪」
総長さんはそう言い残すと。
続けてべつのジェムを使う。
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【浮遊特攻】
宙に浮いてダンジョン内を移動することができる。
(有効時間60秒)
[レアリティ] ★★★
[種類] アイテム
[タイプ] 即効
[重量] 0
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ふわっ。
「やっぱオレって天才なんよね。レッドキューブが上手い具合にこんな手に入るなんてなぁ~。運も実力のうちだよ、国崎君。ばいばーい♪」
体を宙に浮かせながら。
総長さんは手を振ってこの場から立ち去ってしまう。
去り際、『天下の罠』のジェムを使用するのも忘れずに。
ドッロォォ~~ン!
これで地下8階の通路はすべて罠に変わってしまった。
今、僕はフロアに留まってるからダメージを受けずに済んでるけど。
一歩でも踏みだしたら、その時点でHPはゼロに。
(ちょっと残念だな)
まあでも。
一緒にパーティを組んでたわけじゃないし。
総長さんの言うとおりかもしれない。
こっちが勝手に信用してたわけだから。
ひとまず、この状況をどうにかしないとだよね。
脱出するにしても、このままだと赤魔法陣にすらたどり着けない。
HP0は、イコールこの現実での死を意味してて。
本来なら詰んでるような状況なんだけど。
僕はまったく焦ってなかった。
というのも。
例のスタイルがあるからで。
ジャァァァン!
(久しぶりに
こうしてる間にも。
獣域ヒュドラーの群れは罠にはまって全滅してしまっていた。
けど。
さすがの総長さんも。
僕がスタイルをリライトできるってところまでは読めなかったみたい。
透明状態になった僕は。
スラスラーっと、全通路が罠と化したダンジョンを移動して。
あっという間に青魔法陣があるフロアまでたどり着く。
:これこれ!
:ですよね
:!?
:知ってたw
:うおおおおおおお!
:草
:だよねー
:アサシン最強すぎん?
:しれっと透明になってるw
:天才ってのはエデンのこと言うんだよ
:姿が消えた?
:キレキレwww
(おぉ、すごいコメントの数だ)
総長さんとのやり取りで、すっかりコメントを見れてなかったけど。
この間にも大勢のリスナーさんが見てくれてたみたい。
しかも驚くことに。
(えっ?)
同接数は3741人って表示されてて。
配信を開始してから1時間半。
これまでとは比較にならない勢いでリスナーさんの数が増えてた。
ここまで視聴していただいた皆さんに、口頭でお礼を伝えると。
青魔法陣を踏んで地下9階へ。
(ここからは気を取り直して)
降りられるところまで降りてみよう。
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