第7話 1stダンジョン Ⅵ

 そのあと。

 しばらく進んだ先に大きなフロアが見えてくる。


 いわゆるセーフティゾーンだ。


 ずっと歩き詰めだったし。

 ここらでいったん休憩にしようかな。


(あ・・・)


 そういえば今日の配信は多くのリスナーさんに見てもらってるんだった。

 

 普段は紫月しか見てないから。

 どうしてもボディコンソールを覗くっていう行為を忘れてしまう。


 紫月は基本的にコメントしないからなぁ。


「ええっ! また増えてる!?」

 

 ボディコンソールを亜空間から呼び出して確認すると。

 同接数127人との表示が・・・。


 いったいなにが起きてるんだろう。

 普段とまったく変わらない配信してるつもりなんだけど。


:声に出してて草

:今更気づいたのかw

:シャベッタァァァァァ

:こんにちはー

:コミュ障ぽいw

:ワデア嬢見てるかな?

:そういやこいつワデアの彼氏だったw


 しかも。

 コメントもかなり書かれてる。


 なんかすごく嬉しい。

 きちんとお礼言わなきゃ。


「皆さん。こんにちやっほー。閃光の最終旋律エデンですっ!」


:二度目ww

:改めて挨拶とかww

:まだぎこちないw

:草

:こんにちやっほー

:こんにちやっほー

:きちぃww

:なんかかわいいw


「ほ、本日は配信をここまで見てくださり・・・その、誠にありがとうございますっ!」


:礼儀正しいのは良き

:うんうん

:これは推せる

:お辞儀w

:画面揺れるぅ~

:もうすぐB9ですけど、レベル上げなくて大丈夫なんですか?

:まだ緊張してるね


「レベルに関しては大丈夫です。キューブもちゃんと拾ってますんで」


:答えになってないw

:拾ったって青1個だけやんw

:そんな認識なのか

:いまさらアイアンソードでなにができるんだろう

:事故配信になりそう


 リスナーさんとやり取りしたら、なんとなく体力も回復してきた気がする。


 多くの方に配信を見てもらえてるって思うと。

 自然と元気が湧いてくるから不思議だ。


(ボディコンはこのまま持って歩こう)


 せっかくコメントしてもらえてるわけだし。

 見ないのはリスナーさんに対して失礼だよね。


「それでは皆さん。そろそろ先へ進みたいと思います。引き続き配信をお楽しみいただけたら嬉しいです」


:がんばって

:いってら~

:事故だけは勘弁

:ちゃんとレベル上げた方がいい

:この先強い敵だらけだからそろそろレベル上げないとマズいで

:指示厨は黙ってろよw

:応援してますー

:面白くなってきたw


 一礼すると、僕は通路を進みはじめた。

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