第38話 3rdダンジョン Ⅹ

 亜空間からホルダーを呼び出すと。

 そこにストックされてるジェムを1個取り出す。


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 【気配察知】


 自分がいる階のエネミーの配置を完全に把握する。


 [レアリティ] ★

 [種類] 道具アイテム

 [タイプ] 即効

 [重量] 0


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「幽玄なる源泉よ。煌めく智慧を呼び覚まし、我が意志に応じて具現化せよ――ユーティライズ」


 ゲェーーン!


 さっそくジェムを使用して。


(・・・ぜんぶで43体、ね)


 ひとまずエネミーの数は確認できた。


「あのぉ、エデンさま? 失礼を承知の上で言わせていただきますが、敵の配置を確認してもあまり意味ないのではないかしら?」


:珍しく鋭いw

:ワデア嬢冴えてるな

:たしかに意味なくね?

:問題はどう突破するかでしょ

:そもそもLV1じゃ無理ゲーw

:エデン大丈夫か?

:ここに来て雲行きが・・・


「実はこれがけっこう意味あるんです」


「そうなんですの?」


「少しの間、ここで見ててください」


 ワデアさんをこの場に残すと。

 ひとりで試練の間のフロアへ歩みを進める。


 もちろん、中へ入るようなことはしない。

 みすみす殺されに行くようなもんだし。




「オゥワーーー!」「クォフフォフォフォフォフォ」

「ピェエエエエ~~」「ブォアァァァァァァ」

「パオオオオンン!」


 うわ、すごい威圧感。


 試練の間でひしめき合うエネミーの大群は、僕に対して鋭い眼光をギラつかせてた。

 

 間違って一歩でも足を踏み入れたら。

 瞬く間に食い殺されてしまうに違いない。


「エデンさまぁーー。それ以上近づいたら危険ですわよぉっ~~」


 後方では。

 不安そうにワデアさんが大声を張り上げてた。


 心配させるのもなんか申し訳ないし。

 ここは手っ取り早く。


:なにがはじまるん?

:もったいぶりすぎ

:ひとりで飛び込むつもりなんじゃね

:おーいw

:まさか死ぬ気なの?

:ぎゃああああああ

:やめておけ

:ワデア嬢さえ無事ならそれでよし!


 両手をフロアに向けると、僕は神経を集中させていく。

 正直、1体1体やるのは時間が惜しい。

 

(とすれば・・・一気にぜんぶとか?)


 そんなことできるのかな。


 でもまあ。

 物は試しだ。

 

 やるだけやってみよう。

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