第39話 3rdダンジョン XI

 神経をさらに集中させる。

 これはいわば応用編。


 地形を書き換えることができたんなら。

 

(エネミーの配置だって書き換えることもできるはず・・・)






 ズギュゥゥン!

 

 ズギュゥゥン!


 神々しい輝きとともに。


 1体、また1体と。 

 次々にエネミーが消えていく。


「ええぇっ!?」

 

 いつの間にか、近くまで応援にやって来てたワデアさんが驚きの声を上げる。

 

 まだだ。

 どんどんやるぞ。


 今度は2体ずつ、いや3体、あの集団まとめて・・・。


 そんな風に書き換えの範囲を広げていくと。


 ズギュゥゥン!


 ズギュゥゥン! ズギュゥゥン!


 ズギュゥゥン! ズギュゥゥン! ズギュゥゥン!






「そ、そんな・・・。フロアのエネミーがぜんぶ、いなくなっちゃいましたわっ!?」


 ものの30秒もかからないうちに。

 試練の間に出現したエネミーの配置をすべて書き換えることに成功する。 

 

(ふぅ。なんとかなった)

 

 体の負担もそこまで感じないし。

 この力は今後も重宝しそう。


「エデンさまっ! いったいなにをされたんですっ?」


「敵の配置を書き換えたんですよ。これ、見てもらえばわかると思うんですけど」


 手にしたボディコンソールをワデアさんに見せる。

 

 現在地から遠く離れたフロアで。

 大勢のエネミーがひしめき合ってるさまが表示されていた。


「ほ、本当ですわっ・・・。すごいすごいっ! 配置が入れ替わってますわっ!」


:どんな力だw

:なんかよくわかんないけどスゲーーww

:クソチートwwww

:見たことねーわこんな配信w

:エネミーの配置を書き換えたとかwwうええww

:意味わからなすぎて草

:これは一生ついて行ける

:発想が天才すぎん?

:男でも惚れるわこんなんw

:エデン何者!?

:ワデアスト勝ち目ねぇぇw


 またも。

 ものすごい勢いで流れるコメント欄。


 なんかリスナーさんにも驚かれちゃってるみたい。


「これで安心して通れます。さあ先へ進みましょう」


「え、ええ・・・。そうですわね・・・」


 ワデアさんをエスコートしつつ。


 ぽっかりと空いた無人のフロアを通り抜ける。


 その先にある青魔法陣を踏んで。

 僕らは無事下の階へ降りることに成功した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る