第22話 サクラ子爵領のその後 後編
私は桜子爵領に戻ってきた。
ここで変身を解除して
魔「さあフィナーレと行こうか」
街に歩いてはいる。一人コツコツと靴の音をならして。
魔「ここに数百人、いやもしかしたら4桁の人数の人が全員一日で埋まるのはなんだか恐ろしいことだな」
ゆっくりと町を歩く。そして目的地に着く。サクラ家の、貴族の家だ。
魔「お邪魔します」
そうして寝室のところに入った。窓から見える月明りが美しい。
魔「どうだ。そろそろ姿を見せたらどうだ。じゃないとしゃべれん」
すると、うっすらと姿を現した。
?「さすがですね。魔王様」
魔「お前の視線が熱すぎてな。昼間からずっと見えているのが分かったぞ」
?「気づいてくれてよかったですよ」
目の前にいるいい感じのおじさんはアンズ・サクラ子爵。
魔「で、なんだ。昼間から私に視線なんか送りおって」
ア「おやおや、人が悪い。私の要件なんかわかるくせに」
するとアンズは
ア「スキル発動!怨霊の呪縛」
私は華麗に避ける。
魔「おいおい、いきなり地縛霊としてのスキルを使えるのか。すごいな」
ア「ぐっ」
魔「まさか夜で強くなるから我に勝てると思っているのか?何を夢見ているんだが」
ア「貴様は!我々を見過ごしてむやみに多くの命を見捨てたんだ。あなたが先に対策をしていればこんなことにはならなかったのに」
魔「別に我が貴様たちを助ける理由なんてないだろうが」
ア「魔王様なら魔人族のことは誰でも気にかけてくれて、必ず助けの手を差し伸べてくれました」
魔「残念ながらもう魔王ではない」
ア「そう、あんたは魔王ではない。ただの狂人だ。そんなやつは私が先に排除しておこう」
アンズがスキルを打とうとする。だが私は先に駆け抜けていき、
ア「スキル発動!地縛の...がはっ!」
アンズの頭を地面に押さえつける。
ア「なぜ俺のことに触れれるんだ?」
魔「そんなもん。魔王だからな。それだけで理由になる。根拠はなくても皆が納得する。魔王政治の時はこれが魔王に対する常識だ。それが元だろうとな」
ア「くそがっ!」
魔「そもそもなぜ私が殺されなくちゃならないんだ?確かに見捨てたが、別に殺したいわけではないのに」
ア「...ただのうっぷん晴らしかもしれないな。が、お前さえ対策していればというのは事実だ。それに聞いたぞ。貴様が見捨てた理由をな」
魔「そうだ。いやああの花は本当に美しかったぞ。ああいうのはもう生涯見れないと思ってもいいぐらいのものだからな」
ア「人の命を使った花など一切美しくない!」
アンズが踏ん張って、私から離れると
ア「貴様のような力を持った狂人が今後の未来にはいらない」
魔「おいおい、さっきから英雄のような行動や発言をして、まるで自分が正義みたいだな」
ア「最後にこの世のために俺ができることをするまでだ!スキル発動「紺珠の結晶」
複数の玉のようなものが浮かび上がってきて、そこから謎の光が放出される。
魔「よい技だなスキル発動「魔王の聖域」
私から出す紫色の煙がアンズの魔法を覆う。
魔「最後に一つ聞いておくが、まさか魔王の命で復活するとか思ていないよな」
ア「...」
魔「言っておくが、そんなもんデマだからな」
ア「なぜそう思ったんだ?」
魔「そりゃ元魔王の私と君とでは力の差がありすぎるのに、わざわざ攻撃をしてくるなんてそれぐらいの理由しかないだろ」
ア「さすが魔王様だ。すべてを見透かされている」
魔「そうだぞ?魔王様はなんでも見透かしてるぞ。もちろんこの屋敷の下にたくさんの死体が埋まっていることもな」
ア「...」
そういうと アンズは黙りにらんだ。
魔「ちょっと調査すれば証拠なんて山ほど出てくるわ。オムサが隠ぺい工作をしたところでわしにはすべて筒抜けじゃい!」
*オムサは昔の魔王領の捜査長の一人です
魔「なーにが正義だ。お前こそ証拠を消したいだけなんだろうが。はは」
そういうとアンズは
ア「くっ」
こちらに向かって突撃してきた。
魔「真正面とは策があったとしても先手打つのみ。こ、ぶ、し!」
アンズをぶん殴る。
魔「まあまあ安心しろ。ルールぐらいにしかばらしてないから。オムサは死ぬ気で今も働いてるさ。ふふふ」
ア「オムサはどうなっているんだ?」
魔「別に普通に働いているぞ?でもな、なんでも言うことを聞いてくれるすごい道具だ」
私は上空へ飛ぶ。
魔「アンズよ!オムサに感謝でもするんだな。証拠の隠ぺいは手伝ってやるよ」
私は上空に手をかかげて、
魔「
手をさげると下にある家はすべて粉々に砕けて地形にも大きな穴ができた。
私はゆっくりと降りると
魔「まあ、霊には利かないから、生きてるよな」
ア「す、すべて消えた」
魔「よかったな、これでもう忘れるだろ」
ア「忘れるわけないだろうが、余計大事になるわ!」
魔「まあ環境的にはこっちのほうがいいし、悪くはない」
ア「環境だと?ここでの記録や思い出が全部、全部」
魔「まあまあこれも運命
私はアンズに近づく。アンズはそれを聞いて逃げる。
アンズは遠くに走る。だが
ア「なっ」
アンズは魔王の前にテレポートする。
魔「幽霊がそんな簡単に動けるわけないでしょうが。あっそうそう。アンズ、そういえばさ」
アンズに近づき
魔「スキル発動「霊魂の封外」
アンズを除霊した。
魔「そうそうなんでここを破壊したかってさ、この近くに川があるんだよね。そこの魚が珍しい奴で美味しくてさ、ここの死体はちゃっちゃと処理したいからね」
夜空に人差し指を刺す。
魔「よし、魚取ってくか」
魔王はカルゼルへと戻り、川に向かった。
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一か月後
ル「サクラ子爵の領地が消えるねえ」
ルールはサクラ子爵の領さ結果を見ていた。
そして窓の外を見て
ル「どうせあなたがやったんでしょ?」
ルールはそうつぶやくと、
ル「サクラ子爵は何かときなときなくさいですし。あんな領地であそこまで発展できるわけないですし。修の件もありますし」
ルールは伸びをして
ル「後はやっておきますよ」
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