第21話 桜子爵領のその後 前編
街を去った後、てきとうに野営を立てて、
カ「さあ、腐りやすい魚から使っていくぞ。アイテムボックスの中は日は当たらんが時間は経過するし、水に浸せんしな」
私は魚を出して、
カ「今日はお前らに最高の料理を払ってやるぞ」
新鮮な魚を今日朝に手に入れれてたからな。やはり鮮度が安定している時にしか食えない刺身だな。
私は魚を捌いていく。しかしこれなんの魚なんだろうな。毒はないから大丈夫ではあるが。
ア「...おー生で食べるのね」
ム「へえ、生で魚を食うのってあんまりオススメされんのだが、一度ぐらいは試してみたかったんだよな」
二人は食べる。
ア「...」
ム「...おもしろい食感だな。うん」
二人ともいまいちな反応をする。そりゃそうだ。
カ「二人とも大事な物を忘れているぞ?」
そう言ってアイテムボックスから醤油を取り出す。
ム「お?これ知ってるぞ。確か醤油だろ」
カ「知っていたのか?」
ム「ああ、前に遠い地域で美味い調味料が手に入ったからと言われてな。それがこれだったんだ。ただ、しょっぱいと感じただけだったんだけどなー」
カ「まあ味を知っているところでこれの使い方をしらないと意味はないしな」
ム「へええ。じゃあこれには合うってことだな?」
カ「そりゃそうだ」
ア「...あ、私ちょっとやるべきことあるからそれ終わらしてから食べるね」
あっこいつ。
カ「私もアサツの手伝いをするから、あとで感想を聞かしてくれ」
私はアサツのほうへ行き、ムニサツに聞こえない程度の距離まで離れると
カ「おい、食事の時にあいつと一緒にさせるな」
ア「...あれをまた繰り返す日々が始まるのかと思うと嫌気がさす」
カ「そんなもん私だってそうだ」
ア「...というわけでここで食事をとる」
カ「お前、それ持ってきたのかよ」
アサツは魚をほおばる。
ア「...はい、さっきの黒色出して」
カ「だんだんと遠慮がなくな...いやもともとねえか」
アサツは刺身を食べた。人によっては生臭さが苦手とかあるだろうが。大体の人は食えるはず。だってJAPANのポピュラー食だもん。
ア「...お、おおおお」
アサツはその後終始無言で食べる。
子供のように目の前の美味しいものを一点集中して食べる姿に少しかわいげを感じてしまった。なんだか孫を見ているみたいだな。
ア「...これは美味しい。また作ってほしい」
カ「どいたま。これに関しては材料さえどうにかなればできるからな」
ア「...そういえば食べてて思ったんだけど」
アサツはこちらを向いて
ア「この魚どこからとってきたの?」
カ「? だからさっきも言った通り...ア「それはおかしくない?」
アサツが疑ってきた。
ア「...カルゼルが寝ているときに私一人で食事を食べに行ったんだけどさ」
カ「あー朝か」
ア「...有名なお店」
カ「そういやそんなふざけたお店あったな」
ア「...そこって街一番のお店なんだよね。私はそこで魚料理おを食べたの」
カ「へえー」
ア「...そこの料理でさえ生魚は使われなかったの」
カ「まあ生魚って扱い方を間違えると死ぬからな。調理方法を知らない限り生では扱わんぞ」
ア「そう。つまり新鮮な魚がそんなぽんぽんあるとは思えないの」
アサツは疑いの目をこちらで見てきて。
カ「これいつとってきたの?」
...この短期間でアサツの観察力が上がるとは。こりゃすげえ
カ「...別にいつとってきたっていいだろ」
ア「今日の朝、なんかカルゼル濡れていたよね?なんで街にあったって嘘をついたの?」
...いいねえ。成長をこうやって実感していくのか。ただの高飛車お嬢様とは思えないぐらい。
ア「...なんでカルゼル笑ってるの?」
カ「別に笑ってないよ。ただしっかりとしてきたなってな。なんだ。仮に朝に魚を取りに行くのはだめなのか?」
ア「...こんなことがあった次の日に魚をわざわざ取りに行く考えと、わざわざ嘘をつくのがなんでなのかを知りたかったから」
私は立ち上がり、アサツのお皿を奪って、すべての魚を平らげて
カ「うめえ」
ア「ちょ!人の食事を」
カ「理由は一つ。この魚がうまいからな。アサツよ、いい考え方だな。だが事実はただ桜子爵のところに行き、水槽を壊して、魚を取っただけだ。今日はまだ生きていたから新鮮なんだ」
ア「理由は分かったから!返して私の食事!」
カ「残念だが不正解の代償としてもらってだけだ。もう今日は寝るだけだ!」
ア「ひどい!」
適当にだべりながら、ムニサツのところに帰った。
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ム「遅かったですねー」
ムニサツはもう食べ終わっていた。(その後の感想はよくあるテンプレなので省略!)
その後明日の計画を少しだけ立てて、寝た。
二人が寝たのを確認すると私は一人桜子爵の街へ戻った。
私はその時アサツがまだ起きていることに気付かなかった。
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