第12話 年齢ギャップ

アサツと一緒に次の街へ進んで行った。


ア「...ねえカルゼル」


カ「なんだぁ?」


ア「...ここからガルガロット王国まではどれくらいかかる?」


カ「どれくらいねえ、なんだい?時間はないのか?」


ア「...うん。そこそこ急がないとまずい」


アサツは少しだけ焦りを感じているように見えた。ラツカと会ってから少しだけ落ち着きがなくなった。


あいつ絶対変なこと言ったな。


カ「そうだな。次のサクラ子爵の領に行ったあと誰か忘れたけど男爵家の領に行こうと思ったけど急いでるようなら予定変更するか。いつまでがいい?」


アサツは少し考えたそぶりを見せて


ア「...3・・・いや一ヶ月でいける?」


カ「おお、本当に急だな。じゃあサクラ子爵のところに行ったあと、裁断の壁に寄ったあと人間領に入るじゃん?」


ア「...ほうほう」


カ「で、そこからガルガロット王国に向かうでよき?」


ア「...それが一番最短距離ならそれでいい」


今後の予定を決めるのはのんびり自由とは少しかけ離れているが今回に関してはしょうがないよね?


方針が終わり二人はとりあえず一息をつく。そして少し沈黙の時間が続く。


改めてアサツの方を見る。


確か16歳とかだっけ?魔族なら16なんてまだまだだが人間だったら16はもう充分に大人だよな。あれ待てよ?年齢差...。まあまあ魔族と人間じゃ違うもんな?


・・・


いや別に話が苦手なわけじゃないが流石に年齢差の壁があるな。今思うと昔も若手と話をするときは続かなかったなあ。私もその時は仕事人間で若者の話なんか知らないし、相手も取締だからと言って大変だったんだろうな。


今思うと私ってなんでこんな精神年齢低いんだろうな。本当はジジイなのに。


あっでも共通の情報合った。どちらも権力者だ...バラさねえし今のこいつにそれを言うのは失礼か。


まあ無理に話す必要ないか。


無理に話すのもあれだからやめようと思った矢先、


ア「...ねえカルゼル」


アサツが話しかけてきた。調子が狂うな。


カ「なんだ?」


ア「カルゼルって今まで何をしてきた?」


カ「今まで?」


うーん、魔王として頑張ってました。なんて言うわけにはいかないし。嘘を言うのもなあ。


カ「...世界を色々と見ていた」


よし、嘘じゃないな。


ア「...ほーん、楽しそうだね。で、戦闘とかはどうなの?」


カ「戦闘?まあそこそこには」


ア「...ほーん、そこそこね」


カ「なんださっきから、尋問でもされているのかな?」


ア「...あーごめん、私王族だったからそういった旅に憧れがあって、それに冒険者ギルドの時ランクが低かったから、何してたのかなあと思って、詮索するのはよくないか」


カ「なるほど、確かにそれは気になる。だが詮索が良くないのは正解だ」


ア「わかった、あんまりしない。ただあれはどうするの?」


アサツは指を刺すとその報告に魔物がいた。


カ「あれはCランクか」


さあて、今の姿で人がいるとなると魔物を倒すわけにはいかないし。


すると


カ「地面?おいアサツ離れろ!」


揺ら揺らと揺れている。


?「その魔物!この俺が頂かせていただいてもよろしいでしょうか!」


謎の男が地面から飛び出してきた。


ア「あっはい。どうぞ、いいよね?」


カ「え?ああいいぞ。」


?「ありがとうございます!それではお命頂戴いたします!」


男は両手に持った短い剣で構えた。そして一気に走った。


どうやらこの男の攻撃方法は速さを得意としている。そのせいか魔物は男の動きについていけてない。そして隙が出来ると」


?「もらったぁー!」


魔物を一気に切り裂いた。


?「いやあ、こいつは俺の探していた魔物なんでありがとうっす!」


カ「こちらも色々と助かった。ありがとう。私の名前はカルゼルだ」


?「カルゼルさん、初めまして!あっ俺はムニサツです。もしかしてこれからあっちの街へ向かうんですか?」


カ「え?ああそうだけど」


ム「じゃあ俺も一緒に着いて行きましょう!俺もそっちは用事...ではないですけどそっちに行きたいので」


ア「...変な人だけど悪い人じゃなさそうだしお願いします」


ム「お嬢さんの許可をもらったので一緒に着いて行かせます!」


まあいっか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る