5話 勉強会(玲奈視点)その3

「ここが宮本さんの家ですか……」


 蒼真君は凛の家をまじまじと見た。


 わかる、わかるよぉー、どう見たって豪邸だよね!小さい頃からよく来てたから慣れてるけど、気を抜いてるとドキッとしちゃうもん。あぁ、これが私が庶民たる所以……


 一人でしょぼくれてると、凛が私を引っ張る。


「何突っ立ってるの?いくわよ」


 凛の私に書ける言葉は他の人と比べてずいぶんと冷たく素っ気ない。悲しいけど、私が信頼されているからでもあると思うので素直に嬉しくもある。


 道を通って庭を抜け一番先に、大きな扉をくぐって、「ただいまー」と言う。続いて凛が「ただいま」といい、最後に蒼真君が「お邪魔します」と言う。


 私は靴を脱ぎ、慣れた足並みで凛の部屋へ、階段を上っていく。



「ふふん、一番乗り~!早く来てよー!」

「もう、そんな急がなくても時間はたくさんあるでしょ、今日は土曜日で四時間授業だったし。それに、これから勉強をするのであって遊ぶわけじゃないんだからね」

「分かってるよぉ。でも、休憩時間に遊ぶくらいよくない!?」

「そうね、ちゃんと勉強したら良いわよ」






 ――数時間後


「アワワァー、ふぐへぇー。もう無理……」

「まだ、目標まで終わってないのに…」

「――三浦さん、凄く頑張ってましたし、もうそろそろ限界だと思いますし。最低限の所はやれてますから休憩でいいと思いますよ」

「まあそうね、じゃあ休憩でいいわよ」

「…………」


 やっと終わったー。こんなに真剣に勉強したの初めてかも。蒼真君が隣にいるせいか、いつもより厳しかった気がする。いや単純に教えてくれる人が二倍になったのもあるか。


 途中から変な奇声出しちゃったし、蒼真君、ナイス助言。これ以上やったら、死ぬとこだった。冗談抜きで。ほんとほんと。


「…というわけで、お遊びタイム~!で、何する?時間はまだそれなりにあるからいろいろできるよねぇ?」

「立ち直るのが早い、もっと勉強させた方がいいかな?」


 いや、凛冷たすぎ~!やさし~凛成分が足りないよぅ。


 凛に抱き付いて、「みんな、ワードウルフしよう!」と言う。


「ワードウルフ?それって三人ではできなくないですか?」

「こうなることを予想して、友達にお題を書いといて貰いました!」

「予想してって、そんなの考えればすぐわかるでしょ(呆れ)」


 凛の突っ込みはおいといて……


 それじゃあ、やってきましょう!!






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