2話 隣の席の人
私の席の隣は、この高校で一番有名な生徒、宮本凜という女子が居ます。
勉強も運動も上手だし、絶世の美少女。さらには、性格は良いし、人付き合いも上手。文句の付け所のない完璧な美少女であると、誰もが認めると思います。
男子が好いてしまう要素しかない彼女。事実、告白されたという噂はよく聞きます。
さて、そんな彼女ですが、最近私によく話しかけてくるのです。大抵の男子が聞いたらうらやましいとしか思わないかもしれません…
「蒼真君も、おはよう」
「宮本さん、おはようございます。ん……髪型変えました?少し短くなった気がします」
「ん、そうだよ。よく気がづいたね」
彼女がふわりと微笑みました。
外の景色を見るふりをして、周りを見てみると、男子のギラついた視線が向けられているのが分かります。
挨拶をしただけでこれ程の視線を向けられるなんて、さすがとしか思えません。
私としては肩身が狭くなるだけですけどね。
彼女は微笑んだ後、鞄を机にかけ、椅子に座ります。
「あぁ、忘れるところだった、放課後、私の友達と中間試験の勉強会を家でする予定があるんだけど、一緒にどう?」
勉強会ですか…勉強は大体終わっていますが
「それはいいですね、是非」
話し合うことで、自分では気付けなかった事が分かるかもしれないですしね。
あっ、視線が強くなった気がします―。
これは、慣れなそうにないです――。
いたたまれなくなったので、1時間目の授業の準備をするとしましょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます