黒洞々たる星につき

 夏の終わり。ひまわりは枯れる。私はそんなひまわりが、怖くてたまらない。

 私よりも背が高く、華やかな黄色の無い、ゴテッとした茶黒い円が嫌いだ。

 だってまるで、黒い星が私だけを見ているようではないか。

 狙いを定めたような、こちらの心を見透かしているような、ひしめき並ぶ種子たちにじーっと見られているようで気分がよくない。

 小さい頃にも、ひまわりに見られる夢を見た。どこまでも続くひまわり畑を、私は走っている。けど周りのひまわりたちは私から目を離さない。黄色い服を脱ぎ捨てて、私だけを必死に見ているのだ。

 よく、ひまわりを明るいイメージで描く小説や詩がある。けど私は、そのひまわりは、まるで黄色い服をカモフラージュのように使い、私たち人間を観察しているのでは…と思ってしまう。


 今日も私の近所では、花びらの散ったひまわりが並ぶ。通る時は気をつけないと。

 いつやられるか、分かったものではない。

 黒い星は、いつも私を見ているのだから。

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