『 』だったら

 …私の夢の話をしよう。あ、寝てる時に見る方の夢ね?


 ある日私は、いつも通りベッドで目を覚ました。でも夕方で、学校に遅刻したと思って焦っていた。急いでベッドから降りて、着替える。でもそこで気づいてしまった。


 あ、これ夢じゃね?


 だって私は目覚まし時計を毎日かけているのだから。そう思えばのんびりとした気持ちになった。


 気づけば私はどこかのカフェにいた。向かい側には彼氏くんが座っていて、なにやら美味しそうなケーキを食べている。対して私はコーヒーのみだ。羨ましい。いいな。

 そう思った私は…。


 そいつのケーキを食べてしまった。なにも言わず。だって夢だもん。


 また気づけば、なにやら怪しいやつが私につかみかかっていた。真っ黒な服を来た、私がハマっている漫画の悪役キャラだ。ちなみに彼氏くんは消えていた。


 …夢だもんね。


 そいつを力いっぱい蹴った。ついでに殴ってやった。我ながら、主人公っぽい。


 でもまた気づけば家に帰ってきていて、ベランダには知らない人が立っていた。包丁を持って。今思えば、昨夜に見た刑事ドラマが原因だと思う。

 だけど私は考えた。


 もうそろそろ目を覚ましてもいいかもしれない。


 追ってきているところを必死で逃げて、自宅のあるマンションのフロアへ。

 塀を乗り越え、飛んだ。飛び降りだ。

 大丈夫。ここはそれなりに高い。

 ほら死んだ。


 …ここで私は目を覚ます。時計を確認すれば、目覚まし時計の鳴る時間の3分前だった。完璧な時間管理…。鳥肌が立っちゃうね。


 私はよく、自分を殺して夢から覚ます。怖い夢は、見たくないじゃん?

 追われている夢では飛び降りて。幽霊の夢はそばにあるもので。

 死ぬ夢は自分自身をリセットできるらしい。飛び降りる夢は金運が上がるらしい。

 毎日自分をリセットして金運を上げている。ありがたい限りだ。良い夢すぎる。


 私は夢を利用している。夢だと気づけたらなんでもしている。大声で叫ぶし、殴るし、銃ぶっ放してみるし、街ひとつ壊してみせる。

 夢は面白い。なんでもできる。そしてなんでもされる。追いかけられるし、殺されかけるし、可愛いスイーツをプレゼントされるし、空を飛ばせてくれる。いやーあれは楽しかった。眼下に地元が広がり、風を全身に感じた。

 彼氏くんに押し倒された時もあった。

 いや弁解させてほしい。高校生の私にだって性欲の1つや2つくらいあるのだ。それにその日は恋愛映画を見ていたのだ。しょうがないじゃん!別に大人の階段は上ってないし…、夢なんだし。でも嬉しかったのは嬉しくて、今でも割と鮮明に蘇る。

 

 えーと確か、気づいたら彼氏くんの家にいて、2人で映画をゲームをしていた。確か有名な格闘ゲーム。で、私が負けた。あいつゲーム全般できるからな…。そしてそこでドンだ。いや待て。今思えばあれ、普通にリビングだった。うわぁ…自室ですらない。破廉恥だ…あれソファじゃん…。


『俺の勝ち。』


 …みたいなことを言われた。どこの少女漫画だよ…。そして私の想像力ヤバい…。

 えー大人の皆さま。こちらが現役女子高校生の『思い出して恥ずかしくも少し嬉しくなる破廉恥』です。ハードル低すぎますかね?

 

 …とりあえず、私の夢は不思議で面白いということだ。これ以上は恥ずかしすぎて死ぬので書かない!

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