042 監察官(10)黒い円月刀と黒い円盤

 紅丸に、ブラックサーベルをおさえてもらう。

そして、

 ボクが、【能力抑制呪文のうりょくよくせいじゅもん ベルマイラ】で、ブラックディスクを発射前に抑える。

それしか勝つ手がないな。



よろいの騎士

黒色ぶらっく円月刀さーべる。」


紅丸

相殺波そうさいは。」


 紅丸は、見事みごとに打ち消してくれた。


ルナ

「すごいよ。紅丸。」


紅丸

当然とうぜんです。」


衛兵たち

「おー、やったー。」



美しいドレスの女性

黒色円盤光装飾ブラックディスク イルミネーション。」


青兵衛

「買い取りできません。」


 青兵衛は、【音色の算盤そろばん】に無価値むかちの1バーシルをはじれた。

 まばゆい光は、黒い円盤の中に戻された。


ルナ

「すごいよ。 青兵衛。」


青兵衛

「不用品はお持ち帰りいただきましょう。」



 高い所にいる目立つ帽子ぼうしをかぶった者が声を上げた。

 聖職者せいしょくしゃだろうか?


聖職者

しずまりなさい。

 神の御加護ごかごは私たちにあります。


 そらを見なさい。

 あの雷雲らいうんを!


 神を信じない者たちには、天罰てんばつくだります。」


敵兵たち

「おー、そうだ。 そうだ。」


 警備兵たちに動揺どうようが走った。


聖職者

「さあ、てんからカミナリが落ちる前に降伏すれば、神の慈悲じひがありますよ。」


メクバール執事

「だまされてはいけません。

 カミナリをあやつることなど出来ません。」


モンテマニー侯爵

「宝くじが当たらないように、カミナリが落ちても当たるものではない。

 まどわされてはいかんぞ。」


聖職者

せいなるいかづちよ。

 悪魔あくまどもを、くだけ!」


 ズドーン、ズドーン。

 カミナリが2つ落ちた。


 「よろいの騎士」と「美しいドレスの女性」の上に、カミナリちた。


聖職者と敵兵たち

「えっ? なんで?」


警備員たち

「や、やったー。

 俺たちが正義せいぎだったんだ。」





 雲の上では、二人の男女が話していた。


神々を作った創造神 シクペリア

「イウラ、これでいか?」


愛と美の女神 イウラ・ノータ

「ありがとうございます。 シクペリア様。」


シクペリア

「しかし、いつから、いかづちというかカミナリが正義のせいなる光になったんだ?

 ただの自然現象しぜんげんしょうだろう。

 わたしは、そんなルールを決めていないぞ。」


イウラ

「おっしゃるとおりです。

 おかげで、ルウナたちが助かりました。


 それでお願いですが、ルウナにマインルーンなるちからを御与おあたえ頂けませんか?

 カミナリをあやつちからと、黒い円盤の光を跳ね返すちからをお願いします。」


シクペリア

「ルナのアイデアが面白おもしろければな。」


イウラ

「ありがとうございます。

 わたしの友人であるルウナなら、きっとシクペリア様を満足させるアイデアを持っていますわ。」





 ふたたび地上。


 【黒い円月刀えんげつとう】と【黒い円盤えんばん】は、空遠そらとおくにんでった。


敵兵たち

「うわー、逃げろー。」


聖職者

「待ちなさい。

 わたしをいていくな。」


黄庵

「待つのはあなただ。」


 黄庵は、聖職者を無力化した。

 そして、後ろ手にしばったうえで、足の親指をしばったひもくくりつけた。


黄庵

「これで逃げられない。

 そして、あの世に逃げられてもいやだから、竹筒たけづつんでもらう。


 さあ、知っていることを洗いざらい話しなさい。」


聖職者

「ぶわはは、ほまえは、ほれで ほうやふ。」


黄庵

「馬鹿か お前は これで どうやって

ですか?

 心配はりません。」


 黄庵は【聴診丸ちょうしんまる】を聖職者のひたいに当てた。


聖職者聴診丸から聞こえる声

われらはえらばれしたみなのだ。

 【黒い円月刀えんげつとう】と【黒い円盤えんばん】は、正当なる所有者であるワイダー様とフレグランス様のもとに帰っていった。

 おまえたちの寿命じゅみょうは少しびただけだ。」


 とつぜん、聖職者は息絶いきたえた。


黄庵

「心臓が止まっている。

 まさか、遠隔えんかく心臓しんぞう操作そうさできるというのか?」


モンテマニー侯爵

「まさか?

 メクバール、尋問室じんもんしつに行くぞ。


 ルナたちもついてきてくれ。」


 尋問室では、錦野町長が”あの世”に脱走だっそうしていた。


紅丸

「証拠を隠滅いんめつしたのか?」


モンテマニー侯爵

「なんということだ。

 まだまだ聞き出したいことがあったのに!」

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