038 監察官(6)わたしの前に連れてきてくれ
モンテマニー侯爵は、メクバール執事と医者を呼んで、良太郎さんの
メクバール執事
「ルナ殿たちが、モンテマニー
モンテマニー侯爵様が
ルナ
「ええ、モンテマニー侯爵様とメクバール執事が”こころが広い方”であることを感謝しています。」
メクバール執事
「わたしのことはいいのですよ。」
そうは言いつつも、うれしそうだった。
◇
モンテマニー侯爵
「そうだったのか。
これで納得がいったな。」
モンテマニー侯爵は、メクバール執事を見ていった。
メクバール執事
「仕事は良太郎殿がされていたのですね。」
ボクが疑問を持っていると、メクバール執事が解説してくれた。
ルナ
「すると、
モンテマニー侯爵
「だから、
信頼するメクバールの言葉とは言え信じられなかった。
いや、信じたくなかったのだ。」
メクバール執事
「良太郎様は、モンテマニー侯爵の
モンテマニー侯爵
「良太郎は、わたしのようなチビでデブスな
◇
良太郎 《回想》
「あなた個人には
しかし、お金持ち貴族の御子息の
モンテマニー侯爵 《回想》
「わたし個人に魅力を感じるだと?」
良太郎 《回想》
「そうです。 あなたはボクが苦手なことを得意としているじゃないですか?」
モンテマニー侯爵 《回想》
「わたしと友達になりたいか?」
良太郎 《回想》
「あなた個人となら、喜んで。」
◇
モンテマニー侯爵
「ルナ殿、赤いプレート。
モンテマニーの紋章は持っているな。」
ボクは、カードを取り出して見せた。
それを見たモンテマニー侯爵は、大きくうなづいて満足そうだった。
モンテマニー侯爵
「ルナ殿、紅丸殿、黄庵殿、青兵衛殿。
わが友、良太郎をこんな目に合わせた錦野町長を生きたまま、わたしの前に連れてきてくれ。
こんなにも
ルナ
「わかりました。
多少の怪我をさせても構いませんね。」
モンテマニー侯爵
「ああ、だが、わたしが
紅丸
「手加減はします。
ルナ様、行きましょう。」
彼の【怒気当て】に
◇
ボクたちは、キータムアンの町に戻って、町長の家を訪問した。
門番の目を盗んで、屋敷に忍び込むと、
錦野町長
「中立の騎士様、あなたのおかげで、良太郎は
中立の騎士
「あれは、わしのことを信じ切っているからな。」
錦野町長
「真実の
真実の
「気にするな。言うこと聞かなかったら、頭がおかしいと
錦野町長
「
「錦野さんは、人を見る目がある。 人づきあいが上手なわけだ。」
うすい白い紙が張られた
ルナ
「紅丸、
紅丸
「はい、ルナ様。」
斬り倒された障子がバタンバタンと音を立てた。
ルナ
「錦野町長、いいご身分だね。
良太郎さんに仕事を押し付けて、ご自分は
錦野町長
「これは、ルナさんとお兄様方、ご
この状況でよくもまあ、笑顔をふりまけるな。ボクはあきれた。
黄庵
「良太郎さんが、ふらふらだった理由が良く分かりました。
昼間はみなさんと同じ仕事をして、夜は町長の仕事をしていた。
そりゃあ、
錦野町長
「なんのことでしょうか?
もしかして、彼は残業していると?
不思議ですね。」
青兵衛
「そして、中立の騎士様は彼のこころをへし折って、精神的な抵抗力を奪ったのだな。」
中立の騎士
「わしは、あくまで公平に中立にを心掛けているぞ。」
青兵衛
「二枚舌でだますことを中立と呼ぶのか?」
熱血教師
「わたしの
紅丸
「善意とは人前で
真実の瓦版
「きみたちは、あたまがおかしいな。
ここから出て行け。」
紅丸
「ルナ様。」
ルナ
「ああ、紅丸。
あなたたち、これを
ボクは赤いプレートを空に
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