016 黄花はどこだ(2)名医 黄庵
月夜ルナたちがいる場所から3つ先の村に、
桜庵は今まで
医者というものは、
それに対して、桜庵は『温かい酒を飲むための小さな
お代は、一般人の時給と医者の時給の真ん中くらいだから安いと言えるだろう。
「薬は効き目が強いため、わたしの前で飲んでもらいます。 人によって
「はい、大丈夫です。
それで、お代はいくらですか?」
黄庵
「これだけ、もらいます。」
金額が書かれた紙を見せた。
必要な金額の数字と、必要なお金をイラストにしてあった。
患者
「これで良いですか?」
患者は、お
黄庵
「では、
患者
「先生はいつも前払いですね。」
黄庵
「医術は、2つ半です。
2の
患者
「「今はお金がないので、後で払います。」
と泣いて頼まれたら先生はどうしますか?」
黄庵
「もちろん、お帰りいただきます。
患者に同情していたら、タダ働きになりますからね。」
患者
「冷たいですね。」
黄庵
「それなら、あなたが代わりに払えば良いではありませんか?」
患者
「それはイヤですね。
他人にタダ飯食わせる気はありません。」
黄庵
「それで良いのです。
高利貸しと組んで儲ける医者よりはマシと思ってくれたらいいです。」
患者
「ごめんなさい。」
黄庵
「それでは、あなたの身体の音を聴きますから、静かにお願いします。」
患者は、無言でうなづいた。
黄庵は、しばらく患者の身体中の音を聞いた後で、身体中を指で
黄庵
「お待たせしました。
薬を作りますので、温かいお茶を飲みながら待っていてください。
それから、タバコは吸わないでくださいね。」
患者
「はい、分かりました。」
◇
しばらくして戻って来た黄庵の薬を飲んでから、黄庵と患者は話していた。
患者
「えっ、酒も駄目ですか?」
黄庵
「酒は30分間を走り続けるよりも身体に悪いからです。あなたは病人に走れと言いますか?」
患者
「言いません。治るまでタバコと酒を
黄庵
「お酒を飲むことは身体を棒でたたくようなものです。 たまに飲むくらいでも多すぎるくらいです。」
患者
「先生は
◇
患者は、元気になって帰っていった。
黄庵
「聴診丸(ちょうしんまる)、いつもありがとう。
あなたのおかげで今日も患者を治すことができたわ。」
黄庵は、『温かい酒を飲むための小さな
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます