White

「お風呂いただきました~ふぅ………さっぱりした~。」


「そりゃ良かった。じゃあ流して」


「入ってきなよ。」


「めんどくさいな………おかんかよ。」


「せめてお姉さんって言ってほしいかな?」




「ふぅ。主人は何とか見つかったけどあの子なんかなぁ………生気が足りないよな……何か人となりが分かるモノないかな?あ、ケータイはロックかかってる。」


何かないか?ないか?と探す中でレイナが見つけたのは………


「何これ?卒業アルバム?」


中学の卒業アルバムだった。


「あ、ナギいる。変わんないなぁ……てかナギに聞くの忘れてた。彼女いるかどうか聞かなきゃ………じゃないとこの状況は非常にマズイからね。」


ペラペラとめくっていくと卒業したら何になりたいか、卒業文集があった。


「ナギのもあるかな?」


皆夢を語り警察、看護師、保育士、サッカー選手、役者、声優、野球選手等様々な夢を描く中、


「あった!」


ナギの文集は。


「え?」


真っ白だった。


名前と文集とだけ書いてその後は何も書いてない。真っ白のページがそこにはあった。


「真っ白?印刷ミスとか?」


「ミスじゃねーよ。」


「お、お、おー!」


「どんな驚き方だよ?」


「もうお風呂出てきたの?」


「洗ったからな。風呂掃除はしろよ。」


「あ、はーい。」


「で、何でそんなモノ見てる訳?」


「え?いや………やっぱりね。主人になるならその人のことしっかり知っておこうと思ってさ………」


「ふぅ~ん………あっそ。」


「でさ………この卒業文集なんだけど……何で真っ白…………」


「書いたけど乗せてもらえなかった。」


「え?」


「書いたけど教師の許可が出なかった。」


「何書いたの………」


「普通だよ。普通に

もう後5年くらいで死ぬんだから夢とかどうでもよくないですか?って。」


「え?」


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