LiCK

「昼飯何にするか………」


「私つくるよ?」


「今日中に出ていく方に作っていただく訳にはいかないですから。」


「うわ、丁寧に断られた………」


「麻婆豆腐にするか。おにぎりと。」


「あ、私スムージー………」


「自分で買え。」


「あ、は、はい………」


「先に会計して出てるからな。」


近くのコンビニは何か品揃えが悪かったのでちょっと遠めのコンビニまで来た。ここに来るの初めてだな。

てかここって確か………


「最初に変死死体があったところ………うん?」


何か、何かがいる。何かが何かを食べている。暗くてよく見えない………もう一歩……ポキッ、その時靴が木の枝を踏む音が響きその何かがこちらを向いた。それは血まみれの人間………


「人間が……人間を食って………うわっ!」


人間らしきモノは手で仰ぐようにこちらにむけて手を振る。するとその仰ぎで風が起こり凪は飛ばされた。


「痛っ…………」


コンクリの地面に叩きつけられ右手からは血が………

更に人間らしきモノもこちらにやってくる…


「気持ち悪い………あっちいけ!」


聞こえているだろうがその生物には効かない。足もすくんで動けない………


「ナギ!どうしたの?」


「れ、レイナ………アレ………」


「アレは………吸血鬼………」


「吸血鬼なの?人間じゃ………」


「人間が吸血鬼に乗っ取られてるんだよ。もうそうなったら人間には戻れない。」


「アレ………人間なのか…………」


「ちょっと待ってね。私が一発バシッと。うわ!」


レイナも吸血鬼の巻き起こす風に吹き飛ばされ上手く立てない。


「ちょ、レイナ?大丈夫なの?」


「大丈夫………じゃない………うわっ!」


「レイナ!」


「やっぱり主人がいなきゃ………血がないと………」


近づいてくる吸血鬼。凪は決意する。


「オレの血を舐めろ。」


「え?」


「どの道このままじゃ2人とも死ぬ。だったら、オレがその主人ってヤツになってやるよ!」


「ナギ………その言葉ちゃんと聞いたからね!」


そういうとレイナは凪の血を舐め………


「うん!これは!めっちゃ美味!今までで一番美味しい血だ!」


「じゃなくて!」


「分かってますよ。主人様。もう一発で決めれるから。」


レイナは何か詠唱を唱える………


そして


「悪しき吸血鬼よ。天へと召されよ。

ヘルズスタンプ!」


レイナが唱えたその詠唱により吸血鬼は……

灰になり…………天へと、いや風で消え去った。

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