owner
「何て?」
「ナギ!主人になって!」
「イヤ。」
「え、そんな一発で………」
「大体何でオレ?」
「それは………何か運命を感じたから?みたいな。」
「レイナ。」
「うん?」
「運命感じたとか感じるのは単なる虚像だよ。騙されないで。では。」
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってよ!」
「何なの?帰らせてもらえない?」
「あ、そ、そうだ!ナギだってこんな夜中にぶらぶらこんなところに来て~もしかして吸血鬼探しとかしてたんじゃないの?」
「う。」
「何?何?このレジ袋持てって?あ、お菓子にジュースに色々入って………」
「オレはここの廃ビルによく来て月を見ながらお菓子とか食べてるの。1週間に1、2回は」
「え?」
「それをレイナが勝手にテリトリーに入ってきた。どっちが悪いか分かるよね?」
「あ……………すいません…………」
「分かったならさっさと帰ろ?オレももう今日はいいや。帰るし。レイナも主人探し頑張って…………」
プルプルプルプルプルプル
電話の音。
「あ、は、はい。こちらレイナです。」
うわ、吸血鬼もスマホ持つ時代?凄いな。
「えっ………1週間音信不通だった?あー………色々忙しくて。え、いや。主人が見つかってないなんてそんなことありませんよ?もう見つかってますから!え、ちょっと待ってください。え、あと2日?あと2日でこの事件解決するんですか?え、いや。出来ないとかじゃなくて………そのいきなり過ぎるかな………とイヤ!すいません!そうですよね!他にも色々事件ありますもんね!すいません!すいません!では分かりました。2日以内に主人見つけて………じゃない。え、いや主人はいますからパートナーが!はい!では2日以内に事件解決します!出来ないと…………懲戒処分…………ちょ、ちょっと待って………」
プープー…………
電話が切れた。そしてそのレイナの目は凪の目に………
「お願いします!主人になってください!」
わぁ、二度と見れないかも。吸血鬼の土下座。
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