第6話

 「おはよー」

「おはよう」


 私、中川彩羽は、幼稚園の頃からの幼なじみの家に来ています。

 彼の名前は折中真人。

 スポーツ万能で、成績優秀。その上男らしくてすっごくかっこいい。

 だからね、真人くんはクラスの女子たちに狙われてたんだ。

 本人は気づいてないかもしれないけど、少なくとも十人くらいは真人くんを彼氏にしたいって思ってた。

 あんなにいろんな女子からアプローチ受けてたのに、どの子にも靡かなかった。

 多分真人くんはそういうのに興味ないんだなあと思ってた。

 正直安心してた。

 誰かの男にならないなら、私はずっと一緒にいられる。

 いつか真人くんがそういうのに目覚めたら、私が真人くんをもらえるんだって。

 そう思ってたのに……。

 

 なんで瑠香ちゃんと付き合ったんだろ?

 髪が長いから?

 目がぱちっりしてるから?

 鼻がスッとしてるから?

 小っちゃいのに、おっぱいは大きいから?

 脚が細いから?


 考えれば考えるだけ理由が出てくる。

 それだけ瑠香ちゃんは魅力的だし、真人くんと並んで歩いていても、まったく違和感がない。それどころか、お似合いカップルだと思ってしまう。

 容姿がいいだけじゃない。

 真人くんと付き合う前、真人くんだけに限らず、学校のいろんな人たちの助けをしたり、地域のボランティア活動には積極的に取り組んでた。

 社交性も高く、人のために行動できる、そんなカリスマ性をもった女の子だった。

 

 瑠香ちゃんもまさかそういうのに興味ある子だとは思わなかった。

 だから、真人くんと付き合ったと知ったときは、驚きももちろんあったけど、それ以上に心の底から嫉妬の炎が燃え上がり、何が何でも真人くんを奪い返そうと思った。

 真人くんと瑠香ちゃんが付き合い始めてから約一か月。

 夏休みもあと一週間だ。

 それまでに勝負を決める。

 今までずーっと真人くんを誘惑してきた。

 パンちらしたり、アイスバー舐めあいっこしたり、ブラジャーも見せた。

 今まで過ごしてきた幼なじみの態度が急変してびっくりしてるでしょ。

 真人くんはそろそろ堕ちてくれそうな気配を感じる。

 だから今日、真人くんと抱き合おうと思う。

 もう真人くんは、私が真人くんのことが好きだってわかってる。

 わかってるのに遠ざけようとする。

 でもムリだよ。

 だって真人くん、私でコーフンしちゃうんだもん……♡


「お邪魔するね」

「ああ。ゆっくりしてけよ。あ、なんか飲み物いる? オレンジジュースとかあるけど……」

「おちんぽミルクが欲しい……」

「ん? なんて言った?」

「ううん! オレンジ飲みたい!」

「お……おう……?」


 ……危なかった。

 本音出ちゃったよ。蝉がうるさくて良かったけど。

 そうやって一人で悩んでいるうちに、テーブルの上に二つのグラスが並んだ。

 テーブルの真ん中には、カントリーマームやチョコパイなどのお菓子が入っている。私たちはお菓子を食べながらテレビを見て談笑し、仲良く過ごしていた。

 番組も終わり、ちょうどお菓子もなくなったところで、少し静寂が生まれた。

 私はこの機会を逃さず、真人くんの隣に移動し、問いかける。


「今日は瑠香ちゃんといなくていいの?」

「……ああ。今日は彩羽と過ごしたい気分だからな……」

「うそつき。『今日も』でしょ? もう三日間はずーっと私といるじゃん。なに、瑠香ちゃんと何かあったの?」


 あるわけなけど、一応作戦だからそう聞いた。

 すると真人くんは、「なんもないよ……」と少し自信なさげな表情でいった。


「それならいいんだよ。私は真人くんの味方だから。何かあったら教えて? 力になりたいから」


 私にコーフンしちゃってる自分に罪悪感感じてるんでしょ? わかるよ。

 真人くんそういうところすっごく誠実だもんね。

 でもだめだよ。真人くんにはこれから、好きな人を裏切った先にある快楽を貪るサイテー浮気ヤローにならなきゃいけないんだから。

 

「ねえ、ソレは何?」


 そこには真人くんの大っきくなったおちんちんがあった。

 ズボンが山のようにでっぱている。

 たぶんこれを『ぼっき』っていうんでしょ。

 男の子は極度の性的興奮で『ぼっき』するってインターネットにも書いてたし。

 女の子が好きな男の子とエッチするの想像しておまたが濡れちゃうのと同じだよね。

 やっと『ぼっき』してくれた。

 後はえっちな雰囲気で誘えば乗ってくれるでしょ。

 黙り込んで必死に両手でおちんちんを隠そうとしてる真人くんに、畳みかける。


「私のこと、好きになっちゃったの?」


 真人くんはボっと顔を赤くした。

 そして言った。


「……なんで?」

「だって、真人くん、今まで長い間一緒にいて、初めてそこ大きくしてるよね。

 男の子って、好きな女の子で興奮できちゃうんでしょ?

 ……私で興奮してるんでしょ?」


 まあ当たり前だよね。テーブルの向かい側にいる時から足で真人くんのおちんちんいじったりしてたからね。昨日はコスコスしたっけ。なんでもいいや。

 早く返事してよ……そういう目で真人くんを見つめていたら、申し訳なさそうな顔をした。


「それは……彩羽ちゃんが俺のちんこいじるからだろ?」

「ほんとにそれだけ?」


 それだけじゃないよね、と優しく真人くんの唇にキスをする。

 私は真人くんに何するんだと突き飛ばされると思っていた。

 だけど、現実はそうならなくて、私の身体は真人くんの腕で抱き寄せられ、舌をなかに入れてくれた。

 私は嬉しくて、どれくらいの間そうしていたのか、わからない。けど、これが真人くんなりの答えなんだと思う。


「……いいんだね……?」

「…………………………」


 真人くんは何も言わず、ただ私を見ていた。自分がしてしまったことの重大さに呆然としている……そんな様子だった。

 私は少しかわいそうに思った。

 真人くんは浮気できるような人間じゃないのに、私のせいで犯してしまった。

 しかも、幼いころから兄妹のように育ってきた幼なじみに裏切られたのだ。

 今までの信頼を。


 ……だけど、今更哀れんだって仕方ない。

 私は『信頼』よりも『愛情』のほうが大切だから。


「真人くんは何も言わなくていいよ。ごめんね? 私のせいでこんなことに巻き込んじゃって。でも安心して。真人くんは何も考えなくていいから。

 ……一緒に気持ちよくなろ?」


 真人くんは私の言葉を聞くと、コクっと頷き、ズボンを脱いだ。それだけじゃない。パンツもシャツも靴下も。

 私もそれに合わせて全裸になった。

 少し恥ずかしかったけど、真人くんにみられるのは嫌じゃない。むしろ嬉しいくらいだ。

 私は落ち込んでる真人くんの手を取り、ベッドに誘導する。

 落ち込んでるはずなのに、おちんちんだけはちゃんとおっきくしていた。

 私はおちんちんを優しくしごきながら、先っちょのピンクの部分を舌先で丁寧に舐めていた。

 しだいに透明な汁が出てきた。『せいし』とは違うのはなんとなくわかったけど、これは何なのか知りたかったので、真人くんに聞いてみることにした。

 真人くんはそれをほんの小さな声で、『先走り汁』と言った。

 なるほど、言葉のまんまの意味かと一人で納得し、再び行為に戻った。

 真人くんをベッドに横たえ、私はおちんちんをしごきながら真人くんの足の上に跨った。そして、私の大事な所を真人くんの前に晒す。


「……ねえ……私ね? ずっとえっちな気分なんだ……♡」


 私がそういうと、真人くんはゴクリと唾を飲み込んだ後「彩羽……」と小さく呟き、私のおまたに手を伸ばした。

 そしてクチュっと濡れた音をさせてから言った。


「……もうこんなに濡れてるの?」

「だってぇ……♡ 真人くんがこんなになってるのが悪いんだよ……♡」


 私はそう言うと、真人くんのおちんちんを優しく握り、自分のおまたに当てる。

 そしてそのまま腰を下におろそうとした。


「待ってくれ!」と真人くんは言った。

「どうしたの……?」

「生理……まだ始まってないのか?」


 実は三か月前から始まっていて、赤ちゃんを作ることができる体になっている。

 しかも今、私は赤ちゃんの卵が下りてくる時期だ。

 この瞬間真人くんに『せいし』をお腹の中に入れられたら、間違いなく私と真人くんの愛の結晶ができると思う。ううん、確信してる。

 でも、私たちは小学生だ。

 今赤ちゃん作っちゃったら、お父さんやお母さんに迷惑がかかっちゃう。それは真人くんのご両親だって同じだよね。

 だからやめようかと思った。

 でも、そのために今日まで頑張ってきたんじゃない。

 私は一瞬迷ったが、すぐにその迷いを振り払った。


「大丈夫! 今日は安全な日だから!」


 そう言って再び腰を下ろそうとするが、今度は両手で止められてしまった。


「……だめだよ」

「……どうして?」


 私は少しムッとして聞く。すると真人くんは言う。


「生理、きてるわけだろ? 危ないじゃないか」

 そんなのわかってるよ! と言おうとしたけど、私はぐっと堪えた。ここで喧嘩しても、後で虚しくなるだけだ。だから私は素直に従うことにした。

 真人くんはベッドの横にある棚の中に、瑠香が万が一生理が始まったときのための予備のコンドームがあるからそれを着けてくれ、と言われた。

 真人くんの上から退き、コンドームを取り出すと、口に咥えて封を開ける。そして口で器用におちんちんに被せていった。


「できたよ」


 私はそう言って、真人くんのおちんちんを手で優しくしごき始めた。


「うっ……」と真人くんは小さく声を漏らした。


 私はその声を聞くと、もっとしてあげたいという気持ちが強くなり、今度は先っぽをぺろっと舐めたり、口に含んだりして刺激を与えた。

 すると、真人くんは私の頭を掴みながら言う。


「彩羽ちゃん……もう出そう……」


 そんなのだめ! と私は口を離そうとするが、時すでに遅し。

 真人くんが喉の奥にねじ込むようにして、射精してしまっていた。


「ごめん……我慢できなかった……」


 真人くんは申し訳なさそうに言った。

 私はそんな真人くんにキュンキュンしながら、ティッシュで私の唇を拭いた。

 そしてそのまま、私は自分の大事な所に手を伸ばしながら言った。


「……いいよ?  もう入れて……♡」

「でも……」

「大丈夫! もう準備できてるから……♡」


 そう言って私は足を開く。すると、真人くんの目は釘付けになり、おちんちんはまた大きくなってきた。


「……じゃあ……いくよ?」

「うん……♡」


 私は自分の大事な所に真人くんのおちんちんをあてがうと、ゆっくりと腰を下ろしていく。そしてついに、真人くんのおちんちんを私の中に収めた。


「んっ……♡」


 私はその感覚に思わず喘いでしまう。そしてそのままゆっくりと腰を動かすと、真人くんは小さく声を漏らしたあと、私の胸を揉み始めた。


「あっ♡ だめっ♡ 今動いたらぁ……♡」


 と私が言うと、真人くんは激しく腰を振り始めた。


「あんっ♡ だめっ♡ だめぇっ♡」


 私は必死になって抵抗するが、真人くんの猛攻に為す術もなく、ただ快楽に身を任せるしかなかった。


「もっとぉ……♡ もっとしてぇ♡」


 と私が言うと、真人くんはさらに強く打ち付けてきた。そしてついに限界を迎えそうになったとき、私は言った。


「もうだめぇ……イッちゃうぅ……♡」


 瞬間、真人くんは私の腰を掴んできた。そしてそのまま、激しく腰を動かされる。


「ああんっ♡ だめぇっ!♡ イッちゃうぅぅ!!♡♡♡」


 私は盛大に潮を吹きながら絶頂を迎えた。それと同時に真人くんも射精した。温かいものが私の中に入ってくる感覚が心地良い……。

 私が余韻に浸っていると、真人くんは優しく口づけをしてくれた。そしてそのまま、私のことを押し倒してくると、今度は正常位で再び腰を振り始める。


「まひとくぅん……♡ まだするのぉ……?」


 私は疲れ果てながらも言うが、彼は聞く耳を持たずにひたすらピストン運動を繰り返す。


「彩羽ちゃん……好きだ……」


 真人くんは私の耳元で囁いた。それだけで身体中がゾクゾクして、感じてしまう。

 私はもう何も考えられず、ただ快楽に身を任せていた。

 真人くんの背中に手を回し、足を絡めて密着する。

 そして再び絶頂を迎えたあとも、私たちは何度も愛し合った。


 それから数時間後、私たちは裸のままベッドの上で抱き合っていた。真人くんの温もりを感じながら、私は幸せを感じていた。


「ねえ、真人くん」


 と私が聞くと、真人くんは「なに?」と答えた。


「これからもずっと一緒だよね?」私がそう聞くと、真人くんは言った。

「ああ。俺たちはずっと一緒だ」


 その言葉に安心した私は、そのまま眠りについたのであった。


◇◇◇


 彩羽ちゃんが眠っているあいだに俺はこっそりとベッドから抜け出した。そして床に脱ぎ散らかされた服を拾い集めながら考える。


(……やってしまった)


 俺は瑠香を裏切って浮気してしまったのだ。それも二回も……。

 最低な男だと自分でも思う。

 だけど、彩羽ちゃんのことがずっと好きだったのも事実だ。

 小さい頃から一緒だった彩羽ちゃん。

 全力でかわいい瑠香。

 どっちかを選ぶなんて、俺にはできない。それくらい俺は、この二人が好きなんだ。

 ふと、眠っている彩羽ちゃんを見る。すっごく満足そうな表情で、スースーと寝息を立てている。


(かわいい……)


 どうしたらいいのか、このままだと瑠香に浮気したことがバレてしまうだろう。

 絶対、彩羽ちゃんは瑠香にこのことを言うだろう。

 そうなれば、俺は瑠香を失う。

 それだけはどうしても避けたい。

 まずは彩羽を起こしてからだ。

 集めた衣服を部屋の机の上に畳んで置いて、再び彩羽と同じベッドに入る。


(昼前には起きるか……)


 それで一旦思考を放棄して、彩羽を抱きしめながら、眠りに落ちていった。

 

 



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小学生でもラブコメをしたい! 色野あにまる @Kozan

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