第3話 動植物との会話

○森の中(昼)○

   リスAは腕組みして悩んでいた。


リスA「何かいい案ないか?😕」

リスC「な、ないよ。😥」

リスB「う〜ん…、ない😔」

梟「直接話すのはどうじゃ?」

リスB「それ、いいね!😁」

リスC「でも、あの子に僕達のことがバレちゃうよ💦」


梟「何か、不都合でもあるのか?」

リスA「観察していたのが、バレることだな😒」


   2匹のリスB、Cが頷く


梟「そんなこと、気にしている場合ではないじゃろ。お前さん方が話し難いならワシが話そう」


   梟は翼を広げ木の枝から飛んだ。

   リス達も同じ木の枝から幹へ

   駆け降りて地面にジャンプ、

   切り株めがけて走る。


梟「こんにちは。お嬢さん」

   

   智春はびっくりして、

   体がビクッとなった。

   さっきまで目の前に長く伸た草と

   木しかなかったのに、突然梟が

   舞い降り話しかけてきたからだ。

   人より先に自分が動物に見つかって

   しまうなんて、予想していなかった。

   他にも動物が隠れているのかな。

   まさか、熊も居たりしてと

   辺りを見渡した。


梟「どうした?何を探しておる?」

智春「熊、いませんよね?😅」

梟「最近は見てないのぉ、不安な顔しとるが安心せぃ。この森にはおらん」


   智春は安堵したが、ふと気になった。

   どうして梟の言葉がわかるの?

   智春は顎に右手を添え左手で右肘を

   支えて考え込む🤔


梟「すまんが、今から少々驚くかも知れない話を聞いてくれんかのぉ」


   智春は首を縦に一回振った。

   やっぱり解る…。他の動物の言葉も

   解るかも知れないと思ったらなんだか

   ワクワクしてきた。

   すると足元から声がする。

   目線を下に向けると3匹のリスがいた。

   

リス達「※ MO※※※xxぉ」🐿️🐿️🐿️

  

   ん?何を言ってるの?

   全く聞き取れない、もう一回と

   顔の前で人差し指を上に向けた。

   何度か続けていると梟はリスに

   向かって一喝。

 

梟「えぇい、お前達落ち着かんか!3匹同時に話すでなぁ〜い!!」


   森中に響き渡る大きな声。

   耳を塞いでもキーンと耳鳴りがする。

   梟はやれやれと言わんばかりに

   首を横に振る。

   リス達はハッとして我に返った。

   3匹でヒソヒソと話し合い代表で

   1匹のリスが話す事になった。

   残りの2匹はごめんねと手を

   合わせている🙏


リスA「俺らは今、森のヌシの罠に掛かってるんだ!!だから…」


   リスの言葉も解る。

   智春は目を閉じ胸の前で自分の手と

   手を組んでいる。小学生の時観た

   DVDを思い出していた。動物の言葉が

   解る獣医と動物のはちゃめちゃ

   コメディ映画。

   自分も動物と話せたらいいなぁって

   思ったけど叶うなんて。

   ありがとう、神様✨

   智春はいたく感動してます😌✨


リスA「あの、もしもし。話聞いてます?😅」


智春「え、何?」

  

   リスAは呆れてしまったが、

   同じ事をもう一度言ってくれた。

  

智春「え…わ、罠!?どう言う事?😯」

梟「それについてはワシが説明しょう😏」


   この森は『迷いの森』と言って入った

   者を迷わし同じ場所を、何度も

   歩かせて何日もかけて衰弱させる。

   そして倒れた場所からじわじわと

   体から養分を取り殺してしまう。

   対策として正しい道を見つけ

   森のヌシの頼み事を叶えること。


智春「正しい道わかるの?」

梟「もちろんじゃ、ワシが案内しょう。ついて来たまえ」


   梟の後をついていく智春とリス達。

   座っていた切り株から東に10m程

   歩いた先に低木が2本ずつ右と

   左に生え人が通れそうな隙間がある。

   まるで門みたいと智春は思った。


リスA「案外近くにあったのか😑」

リスB「これで、森を抜けられるね😀」

リスC「でも、ヌシがいるんだよ🥺」

智春「どんなヌシかなぁ😃」


   門を通ってまっすぐ歩いていると

   大きな真っ赤な花の蕾がある。

   その周りにいろんな色のパンジーが

   沢山咲いていた。


智春「綺麗なパンジー、まるでパンジー畑ね」


パンジー白「そうでしょ、そうでしょう〜♩」


パンジー黄「もぉ〜っと、褒めても良くてよ

♩」


パンジー紫「何しに来たの?帰ってよぉ♩」


   パンジーは歌うように喋り出すと

   リスB、Cも歌うように


リスB「む〜り〜♩だよぉ〜。オレ達はぁ♫」

リスC「森のヌシに〜用事があるんだ〜♫」


パンジー白「ヌシ様は〜今、お休み中よぉ♩」


パンジー紫「帰ってよぉ〜♫」

パンジー黄「帰ってよぉ〜♪」

パンジー赤「帰りなさ〜いぃ↗︎♬」


   パンジー赤の音痴ぶりに

   智春はふふふっと笑った。

   梟もホッホッホッと笑う。

   ゲラゲラ笑うリスA

   機嫌を悪くした、パンジー赤は

   ぷいと顔を横に動かした。

   智春は植物の言葉も解る事に

   感動している。

   私には隠れた才能があったのね。

   神様、ありがとう✨😌

   

梟「笑ってすまない、ヌシと話がしたいんじゃ。起こしてくれんか?」


   パンジー達はいやだと拒否した。

   仕方がないと梟は大きな真っ赤な花の

   蕾を小さなくちばしで突きはじめた。

   う〜んと唸り声が聞こえ、花が

   がばっと咲いた。


花「誰じゃ、眠りを妨げるのは」

梟「ワシじゃよ、森のヌシ。ラフンレシア起こして悪いな、お前さん方の部下が全く話を聞いてくれんでな」


  梟にラフンレシアと呼ばれた森のヌシは

  世界最大級の花ラフレシア

  そっくりだった。 

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WONDER LAND〜その国で貰ったもの〜 砂坂よつば @yotsuba666

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