第5話 優太のジョウへの反抗

 昼間の僕は依然キキさんと話すことは殆どなかった。キキさんとジョウは級長と副級長ということもあっていつも一緒に居た。二人とも大人っぽくどう見てもお似合いのカップルだった。子どもっぽい僕とは世界が違う。僕は人の心が読めるのだが、なぜかこの二人だけは全く読めなかった。だから余計に気になった。

 ジョウは、横柄でクラスメートを有無を言わせずいつも押さえつけようとした。ジョウは自分に従うクラスメートはしっかり守るが、気に入らないクラスメートは徹底的に叩いた。クラスメートはジョウを恐れて、逆らわず忖度した。キキはジョウをいつも助け、キキの陰でのフォロウがジョウへの皆の反感をなんとか抑えていた。ある日、ジョウがキキに飲み物を買いに行かせたのを見て、忖度のできない僕は思わず言ってしまった。

「キキさんは君の部下じゃないよ」

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