第4話 優太の超能力訓練

「最初は夢の中で少しずつ訓練するのよ。先ず〝透視〟を練習してみてね」


 夢の中でキキさんはこう教えてくれた。それから僕は、毎日夢の中でキキさんの指導のもと、超能力を訓練し続けた。どんどん透視ができるようになって来ていた。進歩がめちゃくちゃ早かった。夢の中だから当然かもしれなかったが。僕は実力を試してみたかった。


 そんなある日、教室でこんな誰かの心の声が、僕には聞こえて来た。

(スマホ無くした。どうしよう。学校に持ってくるの禁止だし、誰にも相談できない)  

 クラスメートの真理亜の心の叫びだった。僕はクラス全体を透視してみた。夢のなかほど簡単では無かったが、しばらくして見つけることができた。僕はそっと真理亜のカバンにスマホをいれた。僕の超能力が初めて人の役に立った。この後ますます僕の超能力訓練に身が入るようになった。

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