第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト【短歌の部】二十首連作部門『カフェら辺』

名無しのオプ=アート

カフェら辺

焼きそばの湯切りのような汗流し湿ったパンツのアイスコーヒー


クーラーをもっと効かせろクーラーを凍えるように轟轟ごうごうとさあ


スマホでの動画視聴で感じとる世代格差は縦横にあり


ジングルをかき消すような木の枠のひずんだガラスが8枚のドア


いつ見ても愛想のないその猫は看板猫にはなれない猫だ


メニューにはないもんじゃ焼きこの店の隣の店から漂ってくる


スナックは若いのいた軽喫茶 その頃からいる老嬢たちの店


コンセプトカフェになるのかあのころのノーパン喫茶とその周辺


店員も客も全員外国人 隣の店はトルココーヒー


30年前はインターネットカフェだった気がする秋葉原の地下一階


紙コップ 会議テーブル パイプ椅子 メン・イン・ブラックの客と店員


知っている古本街のカレー屋で食後のアイスコーヒーを飲む


銭湯のコーヒー牛乳その後でナポリタン食った喫茶店


この辺でふと思い出す六本木野獣会とフレンチトースト


とても硬い煎餅を出すレトロフューチャーなカフェのコーヒー


ブレンドは残りものとあまり物を混ぜただけの『今日のコーヒー』


いきつけがスターバックス◯◯(まるまる)店? お前そんな歳じゃないだろ


『談話室滝沢』が消えるようなコンカフェ業界なんて信じない


モスキートの音もつけたせ若者がいられなくなる名曲喫茶


夕暮れにくぐるドアにはコーヒーと震えるジャズの響きして

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第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト【短歌の部】二十首連作部門『カフェら辺』 名無しのオプ=アート @nameless_op_art

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