第22話:カジノの夜と初夜

 結婚式の前日の夜、アルフレットはミュウラン、シェレミー、フィナを連れて帝都で帝国貴族御用達のカジノホテル、『ルティロン・ホテル』を訪れていた。


 理由はただ一つ、お互いの独身最後の夜を過ごす事だが、結局の所はただの夜デートであった。


 多くの帝国貴族達で賑わう大きなカジノ・フロワではアルフレットはシェレミーと共にルーレットに居た。


「ねぇアルフレット、ルーレットなんてやって大丈夫なの?」


 青と黒を合わせた綺麗なドレスを着こなしたシェレミーからの問いに軍服姿のアルフレットは自信に満ちた笑顔で答える。


「ああ、もちろんだ。それとシェレミー、俺の事はアルでいいよ。せっかく夫婦になるんだから他人行儀じゃなくていいよ」

「あ!そうだったわね。ごめんねアル」

「いいって。それよりシェレミー、お前は黒の11番に賭けてくれ。俺もそこに賭ける」

「え?ええ、分かったわ」


 シェレミーは不思議そうに十枚の500と書かれた紫のカジノチップをアルフレットが言われた黒の11番に置く。


 そしてアルフレットは1000と書かれた角チップ板状のカジノのチップを五枚に重ねて同じ黒の11番にチップの下に置く。


「それでは皆は賭け金が全て置かれたのでルーレット、スタートです」


 カジノボーイが笑顔で開始の合図を言うとルーレットを回し白いルーレット・ボールを投げる。あの機械の様な独特音が鳴り響き、シェレミーを含めて当たる番号に賭け金のチップを置いた貴族達が祈る様にルーレットを見る。だが、ただ一人、アルフレットだけは自信に満ちた笑顔でルーレットを見ていた。


 そしてボールが番号の溝へと落ちるとアルフレットの予想的中で見事に黒の11番に当たる。


「うわぁーーーーーーーーーっ!凄い‼アル!予想的中じゃん‼」


 大当たりで賭け金のチップが倍になって返って来た事に子供の様に大喜びするシェレミー。


「なーに、大した事はねぇーよ。ただルーレットとボールの回転を計算して落ちる場所を予測しただけだよ」


 そう笑顔で言うアルフレットはゆっくりと自分の左手をシェレミーの後ろに忍ばせ彼女の尻を優しくいやらしく触る。


「きゃっ‼︎もーーーお!アルったらエッチ」

「あはははっすまん。ついお前の綺麗なお尻が触りたくてな」


 アルフレットがユニークな笑顔で言うと愛するアルフレットに自分の尻を触られた理由にシェレミーは少し顔を赤くし笑顔で照れる。


 するとそこに慌ただしい表情で黄色と黒を合わせた綺麗なドレスを着こなしたフィナがアルフレットの右腕に抱き付く。


「アル!ちょっと助けて‼ミュウランがポーカーで負けそうなの!」


 それを聞いたアルフレットは笑顔で頷く。


「分かった、分かった、すぐに行くよ。シェレミー、悪いが、チップを頼む」

「ええ、分かったわ」


 そしてアルフレットはすぐにミュウランが居るポーカーのテーブルへと向かう。そこでは椅子に座り、少し冷や汗を流しながら五枚のカードを苦虫を嚙み潰した様な表情でガン見していた。


「おい、ミュウラン。お困りだね。俺に代わってくれないか?必ず勝ってやるよ」


 アルフレットは笑顔でそう言いながら後ろから彼女の両肩を両手でポンッと置く。


 アルフレットの明るい声を聴いたミュウランはパーっと明るい笑顔で振り向き、涙目になる。


「アル~~~~~~~~~ッ!うん!凄く助かるわ‼もぉ~~~~っ!全然!役が揃わなくて負けそうなのよぉ~~~~~~~~~~っ!」

「はいはい、このアルフレットに任せなさぁーーーーい」


 笑顔でそう言うアルフレットは“某少女コメディー漫画ご●うさ”に登場する少女コ●アの様に片目をウィンクし、ガッツポーズをする。


 そしてミュウランは立ち上がり、アルフレットに椅子を譲る。椅子に座ったアルフレットは絵柄が伏せたカードを手に取り役を確認する。


「あらあら、これは凄い。ブタ役無しだ」


 アルフレットは困った表情になるが、すかさずダイヤの1、クローバーのジャック、ハートの3を捨てる。そしてディーラーから新しい三枚のカードを受け取る。


「よし!俺はいつでも受けて立つぜ。フォルオン男爵」


 アルフレットの目の前に座る小太りで片眼鏡を掛け、いかにも高い黒いスーツと金の指輪をした茶髪の男、フォルオン男爵は火の点いた葉巻を一口、吸うと明るい笑顔で微笑む。


「私を知っているとは光栄ですなぁ。帝国の英雄、アルフレット・シュナイダー閣下」


 するとアルフレットは笑顔で内ポケットからタバコの箱を取り出し、一本を口に咥えると笑顔で頷く。


「当たり前だろ。“帝国のカジノ王”を知らないようじゃ貴族の中じゃ二流どころか三流だよ」

「ムッホホホホホホッ確かに。では勝負と行きましょう。賭け金は?」


 それを聞いたアルフレットはニヤリッと笑うとシェレミーが両手で持つチップ用のトレイに山の様に乗ったチップを躊躇なく全てテーブルの上に置き、前へと出す。


「全額だ!それで男爵は?」


 アルフレットが持ち金、全て出した事にフォルオンを含めた見物する貴族達が驚愕する。


「おい!おい!正気かね!アルフレットさん?負ければ大損どころではないぞ?」

「ああ、俺は本気だぜぇ。それとも余りにも大金で怖じ気ついたのかなぁーーーっ男爵?」


 余裕とも底知れる強かさを感じ取れる笑顔にフォルオンは生唾を飲む。


「よ!よし!私も男だ。これ位を賭けましょう」


 そう言うとフォルオンは十枚に重なった1000と書かれた角チップを四つ前へと出す。


「では!私からキングのフォーカーです。貴方はどうですかアルフレットさん?」


 アルフレットは口に銜えたタバコを手に取り、ニヤッとし手持ちのカードをテーブルにシュパッと広げる。


「申し訳ない男爵殿どの。スペードのロイヤルストレートフラッシュだ」


 確率が低い事で知られる手札に見ていたミュウラン達を含めた貴族達が驚く中でフォルオンは目を疑った。


「バ!バカなぁ‼最も難しい手札をどうやって⁉」


 するとアルフレットは笑顔で立ち上がり、タバコを一口吸って答える。


「なに、ただの運ですよ男爵。俺には幸運を招く可愛い女神様達が居ますからね」


 そう言うながらアルフレットは自身の左右にいるフォルオン達を見せ、一方のフォルオン達はアルフレットからの褒め言葉に顔を赤くし照れるのであった。



 思う存分、独身最後の夜を楽しんだアルフレット達は翌日の朝には帝国貴族達、御用達の教会、“聖アルティオン大教会”で結婚式を開いた。


 大聖堂では多くのアルフレット達の親族や友人達が礼装で椅子に座り、ワクワクしながら待っていた。


 一方、軍帽を被り軍服を着こなしたアーニャ達も椅子に座り楽しみに待っている中でターニャだけは少し不機嫌な表情で俯いていた。


(くそ!あいつの‼存在Xの事を思い出す!本当に嫌になる‼せっかくの友の結婚式なのに‼)


 すると聖堂の両開きの扉が開き、純白のウエディングスーツを着こなしたアルフレットと純白のウエディングドレスを着こなしたミュウラン達がゆっくり入って来る。


 ターニャはすぐに笑顔をになり、皆と共に椅子から立ち上がり晴れ姿のアルフレット達を笑顔で出迎える。


 そして無事に誓いの言葉は終わり、結婚式は二次会へと移った。会場は聖堂から教会の近くにある高級ホテルの大会場へと移り、皆は用意された料理を堪能していた。


 そんな中でターニャは料理を乗っけた皿を持ちながら料理を堪能しているとお色直しをしたアルフレット達が笑顔で現れる。


「よ!ターニャ、楽しんでいるか?」


 笑顔で訊ねて来たアルフレットにターニャは笑顔で頷く。


「ああ、楽しんでいるよアル。それよりも結婚、おめでとう友よ」

「ありがとう、友よ」

「それとミュウラン、シェレミー、フィナも結婚おめでとうございます」


 ターニャが笑顔でお祝いの言葉を送るとミュウラン、シェレミー、フィナも笑顔で軽くお辞儀をする。


「ありがとうターニャちゃん。貴女もあと二十年もすればいい人と出会えるわよ、きっと」


 シェレミーが笑顔で冗談を言うとターニャもクスクスと笑う。


「ありがとう、シェレミー。でも私は勘弁するよ」


 それから二次会は大いに盛り上がりお開きとなった。


 時は経ち夜の九時半、アルフレットはミュウラン、シェレミー、フィナを連れて自分の屋敷へと帰宅した。


 そしてアルフレットは一人、自室で上半身裸でキングサイズのベットに座り、参謀本部からの資料を読んでいた。


「何⁉シューゲルが自身の技術データを持って連邦に亡命しただと!あの野郎、一体何を考えているんだ?」


 すると自室のドアが開き、誰かが入って来る。


「アル!今日は初夜だから一緒に寝ていいかな?」


 フィナの声がしたのでアルフレットは急いで足元にあるバックに資料を折入れ、笑顔で振り返る。


「ああ、いいぞ。今日は初夜だし・・・ッ⁉」


 アルフレットは言葉を失う程に驚く。なぜならそこには男の性欲を刺激するセクシーでエロティックなネグリジェを着たミュウラン、シェレミー、フィナが少し頬を赤くしながら笑顔で立っていた。


「あの・・・どうかなか?アルが喜びそうなネグリジェだと思って」


 少し恥ずかしくミュウランが言うとアルフレットはハッとなり、冷静に戻り立ち上がり彼女達の前に向かう。


「あ!ああ。三人共、凄く似合っているよ。それに・・その・・俺って前世は異性との付き合いってなかったから、ベットマナーセッ●スは下手かもしれない。それでもいいかな?」


 アルフレットは顔を赤くし、笑顔で鼻先を指で掻きながら言うとミュウラン達は笑顔で彼に抱き付く。


「そんな事はないわよ。貴方は私達が会った男達をよりも世界一、素敵でカッコイイ男よ。それにベットマナーセック●が下手くそでも私達がしっかりリードしてあげるから」


 抱き付きながら妖艶な笑顔で顔を見上げながら言うミュウランを見たアルフレットはアッとなり、そして左右のシェレミーとフィナも同じで妖艶で愛する人を求める笑顔を見て、アルフレットの理性は限界を突破した。


(リミッター解除!夜間戦闘開始‼)


 アルフレットがそう心で語ると彼女達を一人ずつベットへと押し倒す。


「うわぁ!ちょっとアル!」


 理性を失ったアルフレットにシェレミーは驚くが、彼の自分やミュウランとフィナを求める姿に二人と共に喜びの笑顔をする。


「いいわよ、アル。私達の体を召し上がれ」


 止めと言わんばかりに妖艶な笑顔でフィナがそう言い、ミュウランとシェレミーと共に男を誘惑するポーズをする。そしてアルフレットは飛び掛かる様にミュウラン達に向かってダイブ秘儀:ル●ンダイブをする。


 その後、アルフレットは代わる代わるミュウラン、シェレミー、フィナを熱く汗と涎を交えながら抱き、お互いの初めて童貞と処女を交換した。


「もぉーーっ!アルったら何が下手くそよ。凄く上手じゃないのよ。前世は何人と付き合ったの?」


 時間は深夜一時、交わりセ●クスを終えてシーツを体に掛け、彼の体の上で笑顔で寝るミュウランからの問いにアルフレットは上半身だけを起こし、タバコを吸いながら笑顔で答える。


「いいや。さっきも言ったけど本当に前世じゃ誰とも付き合ってないさ。まぁー付き合った時に備えて知識だけは学んだだけさ」

「あら、そうなのね。ねぇーーっアル、もう一度だけ貴方のテクニックを感じたいわ。今、凄くアソコお察し下さいが疼いちゃったの。あの犬の様な交尾で私の体を満たして」


 両方の瞳の内側にハートを浮かばせながらアルフレットの体を求める妖艶でエッチな笑顔で言うミュウラン。


 するとアルフレットの右側と左側で寝ながら二人の会話を聞いていたシェレミーとフィナが少し不機嫌な顔で彼に迫る。


「ちょっと!ミュウラン‼貴女は私とフィナを差し置てずっとイチャイチャしていたでしょ!今度は私よ!ねぇアル、私の男を喜ばせるダンスを披露するかね」

「いいえ!今度は私よ‼ミュウランとファナはしばらくは我慢しなさいよ!ねぇアル、早く私を求めながら私の首を絞めて」


 彼女達からの求めにアルフレットは笑顔で頷く。


「おう!いいぞ。こっからは殲滅戦だ!“もぉーーダメェーーッ!許してぇーーーっ!”って言っても俺が勝つまではベット戦争は終わらないからな!」


 そう笑顔で言うアルフレットに彼女達は笑顔でオッケーマークをする。


「「「大丈夫よ。前世で培った体力や根気には自信があるから」」」


 そしてアルフレットの予想通りにミュウラン達は前世では体験した事がなかった想像を超える喜びに根負けする。


「「「もぉーーーーーーー!ダメェーーーーーーッ‼許してぇーーーーーーーっ!降伏しますぅーーーーーーーーーーーっ‼」」」

「はい!ダメですよ。この戦争には降伏はありませぇーーーん!たーーーぷりと俺の万歳突撃を味わいなぁーーーーっ」


 アルフレットは意地悪な笑顔で言いながら気絶寸前のミュウラン達のお尻を強く叩きながら彼女達の体と交わるのであった。



あとがき

遅くなってすみません。今回の後半は、かなり攻めた表現をしています。もしかしたら最高司令部KDKAWA公式少佐殿原作者から軍法会議に出ろ修正しなさいと言われるかもしれません。

現在、戦国時代をベースとしたファンタジー架空戦記、『FIERCE GOOD -戦国幻夢伝記せんごくげんむでんき-』を連載しています。是非、観て下さい。


《FIERCE GOOD -戦国幻夢伝記せんごくげんむでんき-》

https://kakuyomu.jp/works/16818093079472528905

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