『女郎蜘蛛』
苺香
第1話
脱皮を繰り返す。
脱皮とはこれまでの自分を捨てて生まれ変わることでしょ。
何度も、これまでの全てを捨て私は私となったわけ。
細長い歩脚は黄色の横縞模様となり、私がもっとも居心地のよい住処をつくるのよ。
ただ、住処をつくるの。
願っていなくとも、雨の後の水滴が黄金に光る網をますます煌びやかなものにしてくれるわ。
私は、網の真ん中でだだ待つのみ。
私の美しい網にかかり、私に食べられることを願った誰かがやってくるでしょ。
この世は弱肉強食。
私はしたたかで美しいのよ。
『女郎蜘蛛』 苺香 @mochabooks
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。