第2話

それは一本の電話から始まった


「はい、こちら通信指令室事件ですか?事故ですか?」


「つっ翼ちゃんが、院長と知らない人達にひどいことさっされていて助けてください。お願いします」


「はい、必ず助けますから。詳しく状況を教えてください、すぐに助けに、行きますからね」


 連絡を受けて、最寄りの担当地区の警察に連絡がいくと一気に騒がしくなる。


「おいおい、連絡の来た場所はあの調査をしている孤児院だな?なかなか尻尾を出さねぇから捜査も行き詰まっていたんだがこれはチャンスだな。上手くいけば一気に解決出来るかもしれん。今動けるやつは全員行くぞ、それと話を聞いた感じだと被害にあっている少女もいるかもしれないので、女性捜査官もきてくれ」


 現場に行くと、そこには通報があったように一人の少女とその後を無残に汚す醜い下種が三人いた。


「その場から動くな、すでにこの場は包囲している逃げられると思うなよ。その女の子から静かに離れろ」


男が、少女から離れるのを確認したら女性捜査官に女の子を保護してもらう。


「もう大丈夫よ、助けに来るのが遅くてごめんね、辛かったよね。もう安全だからね」


 少女の目には光は無く怪我などはないか全身を見ていくと下種達によっぽどひどい目にあったのか、服で隠れる部分には赤くなっていたりした。それに少女の初体験もどうやら最悪な形で奪われってしまったらしい


「何なんだお前たちは、なんでこんな少女にこんな酷いことを」


「酷いことことは?この子はこれから裕福な家庭に行くことが出来たかもしれないのに、あなた達のせいでそれも無理になってしまった。酷いことをしたのはそちらでは?」


この男はなにを言っているんだ?一人の少女を大の大人数人で犯して、酷いことをしてないと考える頭はいったいどうなっているんだ。


「この子は親に捨てられ、この孤児院に来て無償で世話していたんだ。そんな子を可愛がりたいと裕福な人間に紹介してそのさいどんな子か一緒に紹介していただけだ。今まで無償で育ててきたんだ、その分の対価を貰ってなにが悪いというんだ。裕福な人に買ってもらうおかげでこの孤児院は運営出来ているんだ」


「いまお前買って貰ってと言ったな、つまりお前はこの子以外にも以前から、人身売買をしてこの孤児院を運営していたということだな。おかげでお前にはたっぷり話を聞く必要が出来たな。覚悟しろよ」


 この事件がきっかけで孤児院は解散となり、そこにいた他のみんなも離れ離れになってしまった。通報してくれたと思われる少年は近くの公衆電話で気を失っているのを発見して無事保護した。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

孤児院育ちの僕たちが親の愛を知るまで ケンタン @kentan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ