第2話 陣痛という苦しみの中で発現したスタンド
2024年5月19日(日)ラジオNHK FM「眠れない貴女(あなた)へ」で、和田明日香さんという方が朗読された、ある女性の出産体験のはなし。
私はそこに「縄文人女性のスタンド体験」を見たのです。
○ 縄文人女性の偉大さ 陣痛の痛みが神を呼ぶ?
パーソナリティー和田明日香さんの朗読による、岐阜県の「味付け紀香(のりか)さん(63歳)」の投稿です。
38年前の4月、初めての出産を控え自宅から30分ほどの実家で過ごしていました。予定日からずいぶん経ってやっと陣痛が始まった日曜日、父親の軽トラック(農家?)で近くの産院へ送ってもらいました。
2階の病室は真っ白い壁に、親と赤ちゃん用のベッドがあるだけで、他には何も無い静かな部屋。一人で少しづつ痛みが増すのを我慢していました。私の両親にとっては初孫なのに、母はいつまで経っても来てくれず、だんだんと心細くなってきました。 階下へ降りて(携帯電話がない時代)公衆電話(ピンク電話)から、夫に電話しました。 「陣痛が始まったこと」「もうすぐ生まれること」を痛みの中、やっとの思いで告げると「あ、オレ酒飲んだ」のひと言。 腹が立つやら情けないやら。当てにはできないと、病室へ戻りました。
痛みは増す一方、さみしさと・苦しさと・心細さがマックスになって(頂点に達し)、どうしようもできないことに涙が出てきた時、フト、思ったのです。
「日本中で今、この時、この同じ時間、陣痛で苦しんでいる妊婦さんは何人くらいいるのだろう。私だけじゃない。きっと何十人かいる。世界中なら、何百人、何千人もいるだろう。」 「そうだ、私だけじゃない。みんな頑張っている。苦しいのは私一人じゃない。みんな苦しんでいる。私も頑張ろう。」そう思ったら、俄然と力が湧いてきました。
その日が終わる頃、やっと第一子が生まれました。 結局、二人目も三人目も、誰も付き添ってくれることなく、そのたびに「今、日本中で何人の妊婦さんが、いや、世界中なら」と、自分にいい聞かせて産みました。 なんでこんなことを思ったのか。 きっと、独りで痛みに耐えている私に、神様が「頑張れ」とエールを送ってくれたのではないか。なんの信仰もなく、おこがましいですが、神様が助けてくれたのだと思いました。
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そしてここから、今度はこの番組のアナウンサー和田明日香さんご自身のコメントと体験が語られます。
身体的にも精神的にも切羽詰まっている自分なのに、なんかフト、客観的にその自分が見れるのもまた自分・・・。
私(和田明日香さん)も、自分自身の体験を思い出したのですけれど、陣痛の時、あまりに痛すぎて「なんじゃこりゃ。(こんな痛みに耐えるのは)無理」と思った時、「いや、待てよ」と、フト思いました。
「この痛みって、縄文時代からいっしょだろうな」と。
人間が生まれてこのかた、この痛みだけは(もちろん、無痛分娩というものもあるでしょうが)変わらないはずのものだな、と思った時に「よし、やったろう」みたい気持ちになりました。
「人間とは痛みの限界を迎えると、宇宙の目というか、自分の向こう側に行けるというか、自分で神の視点を作り出す能力がある生き物」なのか、と思います。
(投稿者のように)日本で・世界で、一緒につながってはいないけれど「一人じゃないはずだ」と思える人たちがいるから、強くなれているのだ、と(和田明日香さんは投稿者に)気づかせて戴いた。というお話でした。(この投稿をされた「味付け紀香さん」には、片平里奈「誰もが」という歌が贈られました。)
この話自体も素晴らしいと思うのですが、和田明日香さんの素人っぽい、訥々とした語り口が、また良いのです。 → 是非、ネットラジオ「NHKラジル・ラジル」という「聞き逃した人のための再放送」でお聞きください。(放送日後から一週間・5月27日(月)午前1:00までしか聴けませんが。)
「宗教」が無くても、縄文人は(強く)生きることができる。
聞き逃しhttps://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html?p=2401_01 → 5月19日(日)午後11:30放送分は、2024年5月27日(月)午前1:00)まで「らじる・らじる」で聞けます。
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