第5話 探検の旅立ち
1980年 7月 23日
国道16号線のバス停に5人は集まった。
勝也は、昨日の夜に、伊藤、萩原、酒田に西山妙香が一緒に来る事を伝えた、西山がお金が必要な理由も付け加えて。
3人は、快諾とまではいかなかったが、賛同してくれた。
「皆んなありがとう!宜しくお願いします!〝たえか〟って呼んでいいから」と妙香は、皆に感謝した。
酒田が調子にのり「宜しくな!〝たえか〟」と呼び捨てにした。
それを聞いた勝也は、やきもちを焼いた。
「女子に呼び捨てはダメだよ!〝西山さん〟でいいじゃん!」と鼻の穴を広げて反対した。
伊藤は、勝也が妙香の事を好きなのをなんとなく知っていた。
「じゃあ、〝西山さん〟って事で」と話しをまとめて、ようやく勝也の広がった鼻の穴が収まった。
バスを待つ間、伊藤がなにやらリュクをごそごそ
自慢げに出したのは〝ウォークマン〟であった。
酒田が「それ、〝ウォークマン〟⁈スゲエ!」と声を上げた。
伊藤は、「高校生の兄貴の宝物!〝埋蔵金〟見つけたら、バイクとエレキギターを買う約束で貸してくれた!テープも、持ってきたぞ!」とヘッドホンをして足踏みをする。
他の4人は、「聞かせて!」と伊藤に群がった!
酒田は、伊藤からヘッドホンを奪い頭から耳にかけた。かかっていたのは、ゴダイゴの〝銀河鉄道999〟のテーマだった!
酒田は、ヘッドホンで聞く迫力の音に目を丸くした!
勝也が次に奪い、片耳にあて、聞いた。
すると妙香が急接近し、もう片方に耳を当てた!
勝也は、音楽と至近距離の妙香に心臓が急に〝バクバク〟しだした。
そんな時、千葉駅行きのバスが来た!
伊藤は、「返せよ!アツアツカップル!」と二人を冷やかした。
酒田も萩原も笑い、5人は、バスに乗った。
勝也は、妙香の横に座るつもりでいたが、恥ずかしくて、わざと離れて座った。
5人を,乗せたバスは、〝999〟のように出発した。
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