第6話 ドラえもん 〝のび太の恐竜〟
5人を乗せたバスは、国鉄千葉駅を過ぎて京成千葉駅まで到着した。
本来なら国鉄千葉駅で降りなければいけなかったが、5人はお喋りに夢中で、終点まで来てしまった。
伊藤は、「まあ、いいか!歩いても10分くらいだし!」と開き直る。
そんかとき、酒田が、京成の映画館に〝ドラえもん のび太恐竜〟のポスターを見かける。
「あ!〝のび太の恐竜〟まだやってる!見たかったんだよな〜」としがみつく。
伊藤も「ホントかよ!俺も見てないんだよ!見ていこうぜ!お金もあるし!」と賛同する。
勝也も「いいな!」と言葉を発すると、萩原が怒り出す!
「皆んな!ダメだよ!目的は、〝埋蔵金発掘〟じゃないか!無駄遣いと寄り道してる場合じゃないよ!
大体、西山さんの事考えなよ!お父さんの為に必死なんだから!」とここまで怒る萩原を皆んなは、初めて見た。
勝也もハタと気づき、「そうだ、やっぱりダメだよ、千倉へ向かおう!」と止める側に回った。
伊藤は、「硬い事言うなよ!急がなくても、大丈夫だよ!なあ、酒田!」と酒田を巻き込む。
酒田も「うん!俺も見たかったから」と伊藤に同調する。
「ダメ!」
「見る!」
と仲間割れを4人は、始めた。
西山妙香は、争う2組を見て、どうしたらいいか?わからず、動揺している。
萩原が「2対2じゃ結論でないから、西山さんに決めてもらおうよ!」と言い出した。
伊藤も、「そうだ!西山さん?どっちがいい?」と4人の視線が西山妙香に集まる。
妙香は、「え⁈私?私は‥私は‥」と迷っている。
伊藤が「見たいよな!」と誘惑する。
萩原は、「向かうよね?」と負けずに正そうとする。
妙香は、「私は‥私は‥〝見たい〟」と小声で言った。
続けて「親不孝って思われるかもしれないけど、私、映画館で映画見た事なくて‥それに〝のび太恐竜〟見たかったの‥」と泣き始めてしまった。
4人は〝女の子〟の涙に戸惑った。
しばらくして、勝也が、「じゃあ、見よう!喧嘩しても仕方ないし、いいよな?萩原?」とまとめた。萩原も、「うん」と譲った。
伊藤は、「よし!行こう!」と4人は、早くも、
無駄遣いと寄り道をした。
は〜は、であった。
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