第4話 初恋
磯野勝也は、軍資金から2000円分けてもらい、スコップを買いにバスに乗った。
1時間に1本しかないバスを30分待った。
バスに乗り、座ろうと最後尾の席に向かうと、そこに
妙香は、勝也が好意を抱く女子で、バスケットボールクラブのキャプテンをしていた。
何故、勝也が妙香に好意を抱いたか?は単純で、帰り道が一緒だったからである。
放課後帰り道を歩いていると、妙香が後ろから追いつき話かけてくるのであった。
その10分程度の帰り道が楽しみになり、妙香と会えない日は、憂鬱になるほどであった。
勝也は、いかにも好意を抱いていないかのように、「なんだ西山さんか〜何処行くの?」さりげなく横に座るが心はただ事ではない。
妙香は、「ちょっとね‥磯野くんは?」と聞いてきた。
勝也は、「秘密なんだけどね、俺、伊藤達と〝埋蔵金〟堀にいくんだよ!だから、スコップ買いにいく」と腕を組み話す。
妙香は、「え⁈埋蔵金!それホント?お金になるの?」と食いついてきた。
「本当さ!〝宝の地図〟も持ってるし、可能性は、かなり高いね!」と自信満々である。
妙香は、「それって、手伝ったら〝分け前〟ってもらえる?」と潤んだ瞳で聞いてきた。
「え⁈一緒に来るってこと⁈皆んなに聞かないとわからないな〜、それに穴掘りだよ」と、戸惑った。
勝也にとっては、西山妙香が一緒に来る事は、大歓迎だったが皆んなにどう思われるか心配になった。
妙香は、「私ね‥お金必要なの!お父さんが病気で!お願い!私も仲間に入れて!」と頼み込んだ。
勝也は、妙香が初恋の人だからだけでなく、放っておけない気持ちになった。
「わかった、皆んなに聞いてみるよ!見つけよう!お父さんのためにも!」と胸をはっていった。
「ありがとう!ね?いつ出発?」と聞いてきた。
勝也は、「出発は明日の朝6時だよ、じゃあ、皆んなに聞いて電話するよ」とそこまで話すと勝也の目的のホームセンターのバス停についた。
「じゃあ」と勝也が降りようとすると、「絶対、電話頂戴ね!」と妙香は身を乗り出して言った。
勝也がバスから降りると、満面の笑みで手を振る妙香が見えた。
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