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生まれては死に

死してはまた生まれ

とめどなく流転するこの世界では


すべての生きとし生けるものが

ほんとうの自分を忘れたまま


あるときは湿り気の中から生れ

あるときは卵の形で生れ

あるときは母の胎中で体を成して生れ

あるときは忽然と生まれ


なぜ生まれ

なぜまた死なねばならぬのかに背を向けたまま

欲のままに生まれまた死ぬをくりかえす


だから


生まれ、生まれ、生まれ、また生まれて、その生の始めにまた暗く


死に、死に、死に、また死んで、その死の終わりにまたらい



空海『秘蔵宝鑰』830年

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