第6話
私は古川原藍(30)
私には最近よくランチに行く友人がいる。
はじめのはじめは…はっきり言って『好かん』だった。
その理由は私の好きな人の奥さんになった人だったから
どんな奴なのか?
どんな性格悪い奴なのか?
私が判断してあげようとなんとも上から目線でいったら
いや、私の好きな人が好きになる意味がわかるくらい外見だけじゃなくて内面から溢れる可愛さがあった。
すぐ懐いてくれたし、今ではランチに行く仲になってしまった。
あれ?私は彼女を否定したかったのではないか?
嫌なところ見つけたかったんじゃないのか?
女性同士だからなんとなくわかる嫌なところがない。
素直だし、愛嬌がある。
私にないものを持っている。
これじゃあ負けるわけだ。
今でも好きな人が好きじゃないと言ったら嘘になる。
やはり魅力的な人だ。
しかし、その好きな人が選んだ彼女から好きな人を取ろうとか考えているわけではない。
2人が幸せだったらそれはそれで私も幸せだし!
私が選ばれなかった理由がなんとなくわかった気がするわけだ。
私のが少し年上だけど、性格が可愛いのだ
男性ならメロメロになってもおかしくないだろう
私にない可愛さがそこにはある。
ランチに行って美味しそうに食べるところとか見ていると、私が惚れそうになる。
会話のテンポも絶妙で一緒にいて楽しい
さすが言葉を扱う仕事をしているだけある。
私にはない才能だ。
ワードチョイスのセンスがこれまた良い!
私は否定から入ったのに完全にファンになっている。
と言うか恋をしている時に彼女の歌詞に何度も共感していた。
『わかるー!私の気持ちを代弁してくれてる』
と深く共感していた。
なので、あの曲のあの歌詞を彼女が書いたって知った時は正直びっくりした。
彼女のどこからこんな共感できる歌詞が生まれてくるのか不思議だったが、話しているうちになんとなく『職人』であることがわかった。
私の勤めている会社も『職人』の集まりだが!
何かを極めていると言うことはすごいことである。
私も何か極める人生でありたかったな…
今更遅いけど!
彼女の嫌なところを見つけたかった性格の悪い私はすっかり素の彼女のファンになり、今では友達と言うところまできた。
彼女と連絡するのはとても楽しい!
私と彼女はカップルではないから毎日とか連絡は取らないけど、時間がある時は
好きな人のことについてなぜか盛り上がる
『仕事中、こんなことしてたよ』
が彼女が1番喜ぶ話!
1人で伊豆に来て不安もあるだろうし、私が少しでも楽しく過ごせるようにしていけたらいいな!と今はぼんやり思っている。
これが彼女じゃなかったら…好きな人を奪っていたかもしれない。
そのくらい彼女には魅力がある
って褒めるのはこれくらいにしておこう。
喧嘩するかもしれないし。
喧嘩しても仲直りできそうだけど。
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