第5話

私は、夫と結婚して伊豆に来たので知り合いがいませんでした。



当たり前と言ったら当たり前なんですが。




そしたら私にランチしてくれる人が現れました。

藍さんと言って夫の会社の同僚です。



夫が初めて藍さんを紹介してくれた時、


「この女の子が花村くんの好きな人だっただね?」




となんとも言えないマウントらしきものを取られたような取られてないような?



はじめはそんな出会いだったので『苦手』意識のが強かったんですけど、話していくうちに



意気投合してしまい、ほぼ夫の話で盛り上がっています



こうやって時々ランチしたりしてくれたりすることが『孤独』を感じがちな私にとっては嬉しいことです。



藍さんはよくよく聞いていると夫のことが好きだったらしく、アプローチしたのに全然振り向いてもらえなかったという恨み節を聞くこともしばしば。



そんなことを話してくれるようになった藍さんに感謝しつつ、選んでくれた夫にも一緒に感謝しています。




藍さんはサバサバしていてお姉さんという感じで、安心していろいろ話しています。




夫のことをまだ好きかどうかはその際あまり考えないようにしています。







信じるのは目の前で微笑んでくれている夫のことですし。



いろいろ私が不安になることでもないと思うので。



今度藍さんがドライブに連れて行ってもらう約束をしてくれたんです。



正直言ってものすごく楽しみにしています

東京に住んでる時は車は必要なかったけれど、伊豆では必須になってくるので『検討』しています。




私も免許は一応持っているのでこのペーパーをどうしてくれようと思っているところです。




でも今のところ甘えて生きているのでペーパーでもいいか?



なんて悩みを抱えています。




藍さんとの仲も深まってきたので、伊豆で孤独を感じることもなく生活できています




私の知らない夫の一面を教えてくれるのが嬉しかったりします


夫は寡黙な人なので





あ!そろそろ家事をしなきゃいけない時間になってしまいました。





明日もこの場所で、誰かの最後の砦になれるといいな!って思っています



私の最後の砦は『夫』だったので、今度は誰かを支えるような一言が伝えられるような人間だありたいと思っています




今度加奈子が遊びに来てくれることになったんです。



お互い主婦になり、久々に逢えることを楽しみにしています。




ひと足早く結婚生活を充実させている加奈子にいろいろ聴きたいことがたくさんあります。




どんな時でも味方でいてくれる人たちがいるって私の強みだと思うんですよね






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