第3話

伊豆へ来て1年。



東京の仕事を辞める時には同僚が反対してくれたり、いろいろありました。



同僚は私のことが好きだったようで、仕事を辞めてフリーになると相談した時も反対されました。



でも私は基本、歌詞はどこでも書けると思っているので反対されても夫と一緒にいる生活を選びたかったです。



なので反対されることはありがたかったんですが、なんだかどことなく反対も耳に入らなかったと言うかなんと言いいますか。




遠距離を続けるか、はたまた夫に東京へ来てもらうかすればいいじゃないか?



と言われたんです、同僚から。



でも私の気持ちは決まっていました。




伊豆に来たかった。



夫のそばにいたかった。

いろいろありますよ、そりゃあ。




でも基本、夫は穏やかで優しくて喧嘩になりそうになっても喧嘩まで発展することはありません。




喧嘩したら


「絶対恋愛ソングになって世に出ることになるよね」



と夫は笑っています。




そんな穏やかな夫に支えられて、私は今日も伊豆から歌詞の世界を広げています。




結婚して大きく変わったことはやはりそばで支えらくれる人が出来たこと。



それが心の支えとなり、


「歌詞がなかなか降りてこない、書けない」



なんて日も夫が支えてくれています。




私は義両親にも恵まれて、親の愛情を知らない私にとって義両親が本当の娘のように可愛がってくれることが何より嬉しいことです。



夫は男兄弟がいるのですが、義両親から


「娘が出来るってこんな気持ちか!」



と言ってもらえて幸せです。




私も『親からの愛情ってこういうものかふむふむ』




と思っているのでお互いにいい関係が築けています。




今度、みかん狩りに行こうと夫から誘われているのが楽しみです




伊豆に住むようになってフルーツを食べる機会が増えました。



夫の仕事はあまり休みがないんですが、オフにしてくれる日は隣県の山梨県まで連れて行ってくれてフルーツ狩りをよくしてくれています。




葡萄、桃、さくらんぼ。



静岡ではいちご、みかん。




フルーツが元々好きだったのですが東京で買うフルーツは誰も高級でなかなか手が出せなかったのが一人暮らしの寂しいところでした



それを知ってか知らずか夫はフルーツをよく食べさせてくれます。




私は中でもいちごが1番好きです。

いちごのシーズンはいちごを飽きるほど食べて夫が笑っています。




夫は温暖な気候も影響してか本当に穏やかで一緒にいて和みます。



東京はたしかに便利でした。

便利なものは溢れているし、楽しい娯楽もたくさんあった。



でも夫がたくさん食べさせてくれるフルーツより美味しいものはないし、鰻だってもう食べたら頬っぺた落ちそうになります。




東京には東京の良さがあったし、伊豆には伊豆の良さがあります。




それは『住めば都』ってやつですね。




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