第7話:悪魔サタンに誓って。

「もういいです・・・よく考えたら手前勝手なお願いですよね」

「あと半年しか命のない男に・・・先のない男に告られても迷惑ですよね」

「ごめんなさい・・・忘れてください」

「お邪魔してすいませんでした・・・僕よりもっと素敵な彼氏見つけてくだい、

鴨志田さんのお幸せを祈ってます・・・それじゃお元気で、さよなら」」


そう言って生太はレイラに頭を下げた。


「待てよ・・・」

「なに、ひとりでしゃべって、なに、さよならなんかしようとしてんだよ、

このヘタレ・・・なんで一度決めたことを諦めようとするんだよ」


「でも、迷惑かと思って・・・」


「いつ、だれが、どこで迷惑なんて言った?」

「ったく・・・・分かったよ・・・半年でいいんだな」


「はい?」


「いいよ、付き合ってあげるよ」


「え?本当ですか?」


「ほんと、ほんと、まあ半年くらいなら我慢すればイケるだろ」


「我慢ってなんですか?」


「なんでもない・・・だけど覚悟して私を彼女にしろよ・・・私変わってるよ

普通の女子と同じだと思ってたらショック受けるよ、言葉だって男みたいだし

ガサツだし、女っ気ゼロだし・・・まんま男だぞ?」


「大丈夫です・・・まさに僕のマストです・・・そう言うツンデレなところも

望むところのフェチなんです」


「変わってるね、ナマタ」


「はい、僕も充分変わってますから・・・オタクだし、尻フェチだし」


「あのさ、その尻フェチっての何回アピールしてんの?」

「尻フェチだってのはもう分かったからさ、だけど私の尻はあげないからね」


「ああ・・・そうかナマタは純粋なんだ・・・」


「純粋なんかじゃないですよ・・・エッチいことだって妄想するしエッチい

動画だって見るから汚れてるし・・・」


「ほら、そうやって聞いてもないこと、べらべらと・・・」

「普通はさ、自分の長所とかアピールするもんだろ?」

「それに普通の男ならエッチいことも考えるし、エッチい動画だって見るだろ?」

「正直だな、ナマタは・・・」


「僕はあまりカッコつけたり猫かぶるのも得意じゃないから、つい

本当のこと言っちゃうんです」

「あ、あと僕、ホラーも苦手だからオカルト部には入らないですからね」


「そんなひ弱なこと言ってたら私とは付き合えないけど・・・」


「じゃ〜そんな状況に遭遇したら目と耳塞いで、わ〜って大きな声だして

気を散らしますから・・・」


「ほんっと面白いねナマタ・・・まあ、いっか」

「半年間だけの彼女になってあげるから病気に負けないでね、ナマタ」


「じゃ〜たった今から鴨志田かもしだ レイラは為末 生太ためすえ ナマタの彼女になります・・・悪魔サタンに誓って・・・」


「え〜?・・・そこは神に誓ってじゃないの?」


「いいの、悪魔で・・・神様なんかお願い事なんにも聞いてくれやしないんだから」


な訳で、ふたりは付き合うことになった・・・男同志で・・・と言ってもまあ

レイラがいくら自分は男だって言い張っても見かけが女なんだから誰もレイラ

を男だとは思わない。


レイラはハナっから生太を相手にするつもりはなかったんだけど、生太が病気で

余命半年と知って情にほだされてしまった。

半年の間だけでも彼女でいてやれば、少しは慰めになるだろうって思ったから

付き合うことにした。

ま、困ってる人を見たら放っておけない性格が出たみたいね。


生太は立場的にすでにレイラの尻に敷かれてるきらいもあるけど、まあ

「僕は尻フェチだからあの美味そうな桃みたいな尻ならいくら敷かれてもいい。

どうせ敷かれるなら顔の上がいいかな?」なんてエッチいことを考えていた。


つづく。

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