第5話:鴨志田 レイラへの相談事。

為末 生太ためすえ いくた」はレイラに一目惚れしてしまった。

なんとかレイラと付き合いたい。

躊躇ちゅうちょしてうじうじするよりレイラとつながりたい願望のほうが強かった。

な訳で、生太は超勇気を出してまたオカルト研究会の部室を訪ねた。


レイラと話すきっかけとして異世界へ行って帰って来る方法はないかって、

普通なら引かれそうな話を持って行って、レイラと接近しようと思った・・・。


(鴨志田さんと話すきっかけさえあったらそれでいいんだ)

(彼女が、もしその答えを引き出せなくても僕にとっては別にいいわけで、

目的は他のところにあるんだから・・・)


で、生太はドキドキしながらオカルト研究会の部室を訪ねた。

でも、部屋には野郎がふたりほどいただけで肝心のレイラはいなかった。


ひとりの部員にレイラの行方を聞いてみたら、彼女ならこの大学の

敷地の隅っこにある古い井戸を調べてに行ってるよって教えてくれた。


(おえ〜あの井戸か・・・まじ貞子が出てきそうな井戸なんだ)


その古い井戸のことは生太も知っている。

昔、番町皿屋敷って怪談話があるが、この大学の敷地の隅っこにある古井戸も、

その話まんまの出来事があった井戸だって聞いたことがある。

その横には小さい祠があって井戸で亡くなった女をとむらってるって話だ。


だから壊すことも移動することもできないまま放置してあるんだって。

祟りがあったら怖いからね。


「あ〜あ・・・よりによって・・・僕は怪談とかホラーは苦手なんだよな」

「だけど、鴨志田さんには会いたいし・・・でも彼女と話すのは部室よりは誰も

寄り付かない井戸のほうが絶対いいよな」


そこで生太は訳あり井戸のある場所に向かった。


「あ、いたいた」


鴨志田 レイラはこっちにお尻を向けて座っていた。


(大きさといい形といい申し分ないお尻・・・もうたまんない。

今はスカートとパンツに守られてるけど裸になったらそれはもう素敵なお尻に

お目にかかれるんだろうな)


なんで生太がそんな妄想をしたのかって言うと彼は無類の尻フェチなのだ。

おっぱいよりお尻派。


なことを妄想しつつ彼女を驚かすといけないと思った生太は大股で歩いて、

わざと咳払いなんかしながら彼女に近づいて彼女が自分に気づくようにもって

いった。

案の定、レイラは生太に気がついて振り向くと立ち上がって井戸から離れた。


「誰?・・・・あ〜この間の人?」

「なに?まだ、俺に・・・私に用?」


「あのですけど・・・鴨志田さんに相談に乗って欲しいですけど・・・」


「相談?・・・私に?」


レイラはいぶかしげに生太を見た。


「私で分かることならいいけど・・・」


「そのバカな相談だって思わないで聞いて欲しいんだけど」


「言ってみ?・・・そしたらバカな相談かどうか俺が・・・私が決めるから」


「え〜と・・・たとえば、ファンタジーとかに出てくる異世界?」

「そんなところに行って、そっちの世界に移住しちゃうってことできたり

するもんなのかな?」

「本当にバカな相談でごめん」


「そうだな・・・できなくもないけど・・・」


「うそ・・・まじで?・・・それまじで言ってる?」


「あんたも・・・あ〜あんた名前は?」


「僕は「為末 生太ためすえ いくた」って言います・・・え〜と為末の

ためは人の為とかの為で、末は末っ子の末で、生太のいくは生パンツの生って

書いて・・・太は、ふといの太です、それで生太いくたです」

「あと、僕は一人っ子で、アニメオタクで、尻フェチです・・・あ、違います・・・

すいません、いやそうです」


「で、隣のクラスです」


「生パンツの生太ナマタに・・・アニメオタクに尻フェチね・・・」


「ナマタ、じゃなくて、イクタです」


「いいの、私が好きに呼ぶんだから・・・」

「え〜と異世界へ行っちゃうって話だよね」

「私も基本的な知識だけで一度も試したことないけど・・・」

「ナマタ・・・なんなら試してみる?」


「えっ・・・試す?・・・え〜と、それより・・・実はですね本当は異世界の

話はどうでもいいんです、すいません」


「なに?」


つづく。


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