第2話:女になっちゃった。
礼はなにかが変わった気がして、また姿見で自分を見た。
「おかしいな・・・なんか変だよな」
「・・・・・・・・」
「うそ!!?」
鏡に移った自分の姿・・・一瞬目を疑った・・・そして目を凝らしてしっかり
見た・・・そこには見たことある女が立っていて髪が長く、おっぱいがあって、
しかもぶら下がってるはずのちんちんが付いてない代わりに可愛い三角形の
刈り取ったばかりの黒い芝生が植わっていた。
見たことある女って思ったのは自分の顔だったからだ。
「おわっ・・・なにこれ?」
驚いた礼は自分の体を直に見た。
目の下にお椀をふせたくらいのおっぱいがふたつ・・・そして、
その下には、あるはずの大事なちんちんがぶら下がってないじゃないか。
「ある・・・ない・・・」
「えっ?・・・俺はどうなっちゃったんだ?!!」
見るからに女になった礼が鏡の前に立っていた。
「礼?・・・あんた!!なに大きな声出して?」
母親が脱衣場のドアを開けて顔を覗かせて言った。
「母ちゃん・・・俺・・・」
「なに?どうしたの?・・・え?・・・」
「あんた、なにやってるの・・・なにその髪・・・あんた女装趣味なんか
あったの?・・・いつから?」
「ち、違うって・・・訳分かんないけど俺、女になっちゃった」
「なにバカなこと言ってるの?」
「だってさ、この体見たら女装してるんじゃないって分かるだろ?」
「・・・・・あ、あんた」
これは一大事・・・本人の思惑とはうらはらに5人姉妹は手を叩いて大笑い
して歓喜、歓喜・・・大騒ぎした。
これで鴨志田家は6人姉妹になったわけだ。
さあ、困った・・・このままじゃいけないってことになって家族会議の結果
男の礼はよその学校へ転校したことにして、その代わり女になった礼が今の
高校に転入させることにしようってことになった。
なわけで当然、礼はセーラー服を着ることになった。
内面は男でも見かは立派な女なんだから、当然女性用の服を着なきゃいけない
わけで・・・まあ普段は上下ジャージでもよかったんだけど・・・。
だけど姉ちゃんが5人もいるんだから服には不自由しないだろう。
で、開き直った礼は特に登校拒否することもなく普通に今の自分の状況を
「ジタバタしたってしょうがねえし、なるようになんじゃねえ」
「そのうち男に戻るだろ?」
って言って、さっさと受け入れた・・・なんせ、ノ〜天気だから・・・。
一個上の姉ちゃんにも言われた。
「あんたたぶんもう内臓まで女になってるわ」
「いろいろ教えてあげるからね・・・女の生理現象とか・・・」
って・・・。
で、名前も「
もしかしたら、あのお稲荷さんの横を通った時、礼は狐に取り憑かれたのかも。
でもお稲荷様は厳密には狐ではありませんからね、神様の使いです。
もし取り憑かれたってことならそれは神様じゃなく、いたずら好きの仙狐なの
かもしれませんね・・・もちろん女のね。
ってことで中身は男、外は女、中途半端な女子高生が誕生したのです。
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます