第3話 Dリーグ昇格とデータ拳法


私、ライラはEリーグを順調に勝ち抜いていく

今度の相手は素早さそうなシーフだ


「ゴロツがやられたらしいが、ゴロツには素早さが足りなかった。

 俺はそうはいかないぜ俺は素早い。」


そう言うとシーフは私の周りを駆け巡る。

なるほど、確かに速さはあるようだ。


「このまま拳を叩き込んでやる」


シーフは私の顔面に拳を叩き込もうとして来た

だが私はシーフの腕を掴んだ


「いてっ!!」


シーフは痛そうにする


「折られたくなきゃ降伏しろ。

 いくらお前が素早くても、攻撃の瞬間の隙はどうしようもあるまい」


いくら素早くても、攻撃時には隙が出来るものだ

そこをつけば相手じゃない


「クソ、降参だ。降参だよ…」


シーフは降参した、腕を折られるのが嫌だったんだろう。


観客がまた騒ぎ出す


「あの少女、また圧倒したぞ。」「ひょっとしてすごく強いのでは?」「Eランクのレベルではないわな。」




私はEランク以上の実力と言う事で、Dランクへの昇格戦が行われることになった

昇格戦の相手は、ごろつ以上の巨男だ。


「お前2連勝してるんだって?だが俺は巨大だ、パワーが強い

 体も硬い、お前の連勝はここでストップだ。」


確かに、パワーはありそうだし硬そうだが。


「ごたくはいい、かかってこい。」


審判が試合開始の合図を告げる


「それでは試合開始です!!」


巨男が私にパンチを仕掛けて来る

私はそれを受け払いで捌いた


なかなかの威力だ、まともに当たれば痛そうだ。


「どうだ俺の攻撃は、当たればただで済まないだろ」


確かに、当たればタダで済まない

ただ。


「当たらなければ、どうと言う事はない。」


私は巨男の攻撃を受け払った後

カウンターで巨男の顎に蹴りを入れた


「ぐはっ!!」


巨男は一撃で意識を手放した


審判は確認に来て言う


「勝者、ライラ!!

 ライラ選手ストレートに3勝Dリーグ昇格です」


Eリーグは修練を積んだ私のレベルには足りなかった

と言う事だな




私はDリーグの控室に来た

魔族や女戦士も居る。

男だらけなのはEリーグだけか


魔女風の服を着た、茶髪ボサボサヘアーのメガネッ娘が話しかけて来る

角が1本生えている事から魔族だ


「こんにちは、ライラさん。」


魔族に初めて話しかけられた。

対応は、とりあえず普通通りでいいだろう


「こんにちは、ええっと名前は?」


「データです、データ・メモリー」


いかにもデータを大事にしてそうな名前だな


「それで、魔族が人間に話しかけるなんてめったにない

 何の用だ?データ」


データは言う


「次の対戦相手、私になると思いますので。

 ご挨拶をと思いましてね」


次の対戦相手がデータになる?

何でそんな事が分かるんだ


「次の対戦相手がデータになる、なんでそんな事がわか…」


スタッフが私達を呼びに来た


「データ選手、ライラ選手、試合です」


「!!!!」


私は驚いた、図星だ

試合相手を当てた。

こいつ、何者だ?


「フフフ、よい試合をしましょうね。」


データは笑っている。

それに対して私は睨みつけた


「おぉ、怖い。

 睨まないでくださいよ、ただデータで試合相手を計算しただけですから」


「データで?」


「私の拳法はデータ拳法なので、データで戦うんですよ。」


データで戦うデータ拳法か。

厄介そうだな。




「それでは、試合開始です!!」


審判の合図で試合が開始された

私とデータの試合だ。


私はとりあえずデータに攻撃を仕掛けた

だがデータは回避した。


そして、私の胸にパンチを仕掛けて来る


「ごほっ!!」


データは笑う


「貴女が頑丈なのは分かって居ますが、女の子に胸は鍛えられないでしょう。

 ここを狙えば勝てるって言う寸法ですよ」


私は直に胸に攻撃をつけ、跪く。


観客たちは騒ぎ出す


「そこを狙うのは卑怯だぞ魔族!!」「紳士じゃない!!」「魔族ぅ!!」


データは満面の笑みを浮かべる


「卑怯上等じゃないですか、勝てばよかろう。ですよ…」


データは私に追撃をかけようとする。


「さぁ、処刑ショー開始です。

 貴女の攻撃は私にかわされ、貴女は私に打たれることしか出来ない

 降参してもいいんですよ?」


私は立ち上がって言った


「お前の特技はデータに基づいた、行動だよな?

 ならお前が私のデータを取ったのは、Eリーグ戦の時だ。」


「そうですよ、それが何か…」


私は笑った


「なら全然大丈夫だ、Eリーグ戦、私は全然本気を出していない」


「え?」


私は全力の速度で、全力の威力で

データに腹パンをぶち込んだ


「きゃっ!!」


データの腹の骨が折れる音がする


「きゃっ、ぐっ、お腹が…」


俺はデータの顔面に拳を寸止めした


「降参するか?しないなら追撃をかけるが。」


データは悔しそうに言う


「降参、です。

 元となるデータが間違っていては、勝ち目などない」


審判は言う


「勝者、ライラ!!」


観客は歓声をあげる


「ライラすごいぞ~!!」「Eリーグで本気を出してなかったなんて」「さすが!!」


私は片腕をあげながらクールに闘技場から去って行った

今回も私の勝利だ。

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