第2話 12歳と初試合


12歳まで私は厳しい修行をした

そしてお父さんとお母さんから、闘技場に出る許可をもらった


お父さんはうれしそうで、なおかつ真剣な感じで言う


「お前はこれまでよく修行した、まだ若いが

 お前の拳の腕は闘技場で通用するはずだ。」


お母さんも賛同してくれる


「お母さんも保証する、通用するわ。」


お父さんは言う


「行って来い、闘技場に。

 俺はお前を信じてる」


闘技場か、あまり戦闘好きでもないし

行きたくないが。


でも両親がここまで期待をかけて、育ててくれたんだ

いかざるおえないだろうな。




私は闘技場での戦闘前に、戦闘着に着替える

私の戦闘着は茶色い胸だけ隠す服に、薄茶色い短パンを着た軽装だ

胸の辺りはそんなに大きくはないが膨らんでいて、私が女なのだと自覚させる


もう前世のような男ではないんだな。




私は玄関に出た


「行ってくる、お父さん、お母さん」


「「行ってらっしゃい」」




私は闘技場にやって来た

闘技場には屈強な男たちや、

華奢だが強いのであろう魔族の美少女達が揃っている。


魔族は美少女しか居ないとは聞いていたが、実際に見えるとそれが自覚出来るな

そして屈強な男たちに勝てるのだろうか?勝てる気はしない…


「まぁでもやるしかないか。」


受付が居て、人間と角が生えた魔族の2人居るようだった

私はとりあえず人間の方に話しかけた


「受付さん、ここに登録したいんだが?」


受付は笑顔で言う


「お嬢ちゃんいくつ?」


「12歳だ。」


受付は注意するように言う


「12歳に闘技場は早いんじゃないかな?

 もう少し修行を積んでからの方が…」


私は言う


「闘技場は何歳でも、自分の意志で参加出来ると聞いている。

 違うのか?」


「違わないけど…仕方ないですね。

 規則は規則ですから、参加させますか。

 ですが、痛い目みても知りませんよ?」


痛い目か


「幼いころから修行で痛い目ならたくさん見ている

 その心配は無用だ。」


受付の人は作り笑顔で言う


「ではまずEリーグからの挑戦になります

 Eリーグはあちらになります。」


私は案内にそってEリーグに行った。

Eリーグの控室には、喧嘩自慢の男たちしか居なかった。


魔族はもう少し高いランクに居るのかな?


喧嘩自慢の男たちの1人が話しかけて来た

いかにも強そうな、大柄な男だ


「お前闘技場に参加する気かぁ?その年齢で。」


『アハハは!!』


周りが笑に包まれる

私をバカにしているようだ


「そうだが、何か?」


「何か?じゃねぇよ、ここはガキが勝てるほど甘い場所じゃないんだ

 バカにするなよ!!」


ムカッ、ムカつく。


「そっちこそバカにするな。

 こっちは修行を積んでるんだ、負ける気はない。」


係の女性が呼びに来た


「ライラさんとゴロツさん、試合です」


大柄な男は言った


「ゴロツは俺だぜ、俺がお前を分からせるようだな。」


「分からせられるのはお前だ。」


「はっ!!言ってろ、ここは闘技場、結果がすべてなんだからな。」


結果がすべて、そう勝たなきゃ意味がない

勝たなきゃ、この大男にバカにされる。




「街のごろつき、ゴロツぅううううううう!!」


司会の人がそう叫ぶ


「うぉおおおおおお!!」


ごろつが大声を上げながら入場するのが分かる


「謎の子供、ライラぁあああああ!!」


私は無言で入場する

はしゃぐのは恥ずかしい。


「おいおい、ゴロツの相手はガキか?」「大丈夫かよ?怪我しちゃわない?」


司会の人が言う


「えぇ、こんな女の子が出てくる事自体異例ですが、当闘技場は何歳でも参戦可能です。

 なのでこう言う事もあるでしょう」


司会の人が試合開始の合図をする


「試合開始です!!」



ゴロツは拳をボキボキならす


「さて、どうやって分からせてやろうか?」


私は言う


「お前から来いよ、力の差を見せてやる。」


ゴロツは笑いながら言った


「後悔しても知らねぇぞ!!」


ゴロツは私に殴りかかって来る

だが私はその拳を受け払った


「なっ!!当たらねぇ!!」


ゴロツはもう1発殴りかかって来る

だが私はその拳を受け払う


「なっ!!」


観客たちが騒ぐ


「ゴロツの攻撃受け払われているぞ」「どういうことだ?」


私はゴロツを挑発した


「その程度か?」


「ふ、ふざけるなぁ!!」


ゴロツは怒りに身を任せてパンチして来る

ゴロツのパンチは私の腹に当たった。


「や、やったか。」


私は笑った


「食らっても、全然ダメージにならないな」


観客たちは騒ぎ出す


「ご、ゴロツのパンチが効いてないぞ」「そんな馬鹿な、あの子供強いのか?」


私はゴロツの顔面に軽く蹴りを入れた


「とりゃ!!」


「がはっ!!」


ゴロツは一撃で気絶した


審判の人がゴロツに近づく


「…気絶してます、勝者ライラ!!」


観客たちは騒いでいる


「ライラ、ガキなのに強かったのか。」「信じられないわ。」「だけど結果を見るに事実だ」


私はカッコつけて拳を無言で上にあげながら

控室に戻って行った

初試合、クールに決めれただろうか?

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