参話 スランプ

十月下旬の全国選抜予選に向けて今日も練習していた。


カァァン ポス


(なんだか手の内に違和感、いや馬手もおかしいような、いや離れにも違和感がある、なんでだろう。ありとあらゆることに違和感がある)


カァァン ズシャ


(やっぱりダメだ、大会まであと一週間なのにどうすれば、、、)


「最近東野さん調子悪いね」


普段話すことのない男子、瀬崎さんが話しかけてきた。


「何がダメなのか分からない。何をやっても何かが違う気がする。一体どうすれば、、、、」


「射型は綺麗なんだけどなぁ、なんで当たらないんだろうね」


「分からない、でも頑張ってみるよ」


しかし何が原因なのか全く分からなかった。射型が綺麗とは言われても、結局それじゃあ、何が悪いのか、どうすればいいのか分からなかった。


カァァン ズシャ カァァン ポス

ビャァァン ガシャン ビャァン ズシャ


「あんまり練習しない方がいいんじゃない?」


「でも大会が近いし、何とかして持ち直さないと、、、」


「そうやってがむしゃらに引いてると余計悪い癖が着いちゃうよ」


「で、でも原因を探らないと、何がダメなのか分かればなんとかるはずなんだよね」


「そっか、無理しないでね」

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