第一章 水の大輝石
第79話 遺跡に出会いを求めるのは間違っているだろうか (水着回)
俺達ルイパーティーを乗せた飛空艇ミューズ号はズイーブト大陸を飛び立ち、東へと向かった。海をどんどん進んで行くと、上空から見るとカエルの顔の様な輪郭をもった島が見えて来た。
目的地である『水の
水の巫女の祠へ行くには少し水を潜り抜けて行かなければ辿り着けないので、潜水艇か潜水可能な青チョコザが必須となる。潜り抜けてさえしまえば、遺跡には空気が有るので問題なく行動できるのだ。
飛空艇を水上に着水させた後、出来立てほやほやのジャイアントタートルの甲羅を利用した潜水艇をインベントリから取り出した。
俺とエリー、イーリアス、シーラの四人がコックピットである頭部に乗り込み、チョコとザックの二頭が後部の船室部分に乗り込んで、いざ潜水開始!
あらかじめシュドウ達潜水艇の開発陣に、しっかりとレクチャーしてもらっているので操縦の仕方はばっちりだ。簡単な操作で動くのですぐに覚える事ができた。
コックピットから見える透き通った湖の底は、たまに魚が通過する位でほとんどは砂と水性植物のみだった。
始めての水底だが、辺りをよく観察しようとするよりも早く『水の巫女の祠』の遺跡入り口へと着いてしまった。水中探検は次回の楽しみにとっておいて、早速攻略に向かう。
「皆聞いてくれ。この遺跡では状態異常を使う敵はボス以外おらず、使う種類も『くらやみ』のみだ。そしてここの敵は頻繁に水属性で攻撃してくる。そこで体装備は水属性吸収効果がある『ビキニアーマー』をイーリアスに、『アブナイ水着』をエリーに着てもらおうと思う」
「おうとも」
「わかったよ」
「わたしも水着きたい! わたしの水着は!?」
「水着はもう手持ちには無いけど、ここの宝箱に水着が入っているはずだから、手に入れたらシーラも着替えようか」
「わーい!」
イーリアスとエリーの着替えが終わった。
イーリアスは戦士職だけあって、ビキニアーマーが実に似合っている。引き締まった身体に、ボンキュッボンの抜群のプロポーション。その魅力がビキニや肩当て等のわずかな面積を除いて惜しげもなく晒されている。
極めつけはマントだ。
ビキニにマントなんて意味有るの? とバカにはできない。そのアンバランスさがより際立たせるのだ。
そこはかとないエロスを。
因みにビキニアーマーは全身装備枠で、意外と防御力が高く、いくつかの状態異常耐性も付与されている。水辺ではこれを着なさい、という
青紫色の長い髪とエキゾチックな褐色の肌に、ほんの少し先の尖った耳、意思の強さを感じさせるキリッとした目が印象的な物凄い美形。
そこに追加されるビキニアーマーというアクセント。
素晴らしい!
一方エリーは、着替えた途端にモジモジとしている。
まぁ、無理もない。なにせアブナイ水着は超ハイレグなのである。
際どいV!
サイ○はV!
アブナイ水着はネタ装備枠なので、必ず外見は水着だけになるのだが、装備欄の上では他の頭装備やアクセサリーを装備したままということになっている。不思議だ。
そしてこれまた、防御力が意外と高く、頭装備と足装備、アクセサリーは別に装備できるので、やはりこれも水辺ではこれを着なさい、という
際どいラインを攻めるこのデザインは、むしろ裸よりエロいんじゃなかろうか。
サラサラした水色のワンレンボブの髪が、少ない面積の布地と真っ白な肌との対比で印象深く、とても綺麗だ。
涼やかな切れ長の目が今は自信なさげに揺れ動いているが、大丈夫。エリーはイーリアスとは路線が違うだけで、スレンダーボディにとても水着が似合っているよ。
控えめに言っても最高です!
「二人共水着がとても良く似合っていて素敵だね」
俺の褒め言葉に、二人共満更でもない顔をしてお礼を言って微笑んだ。その笑顔がまぶしいです。
水属性吸収装備の恩恵もあり、遺跡探索は順調に進んで行く。
隠し部屋までもしっかりと立ち入り、お宝はきちんと回収していく。宝箱回収率100%を目指す俺の行動には余念がない。
先程の隠し部屋の宝箱からは『イケナイ水着』を手に入れたが、これをシーラに着せるわけにはいかないのでまだシーラの水着はお預けだ。
更に奥へ奥へと最深部へ向かって進んで行くと、上部が吹き抜けになった所にポツンと置いてある宝箱があった。
この中には確か……ボゴン!
俺が宝箱を殴るとふたがガバリと開き、ギザギザの歯と長い舌で俺を喰おうと襲いかかってきた!
人喰い宝箱だ!
人喰い宝箱のHPはかなり高い。皆でタコ殴りにしていると、背後からワラワラとモンスターの群れが現れた。
まずい! 前後を挟まれて攻撃される!
後ろをイーリアスが受け持って持ちこたえてくれている間に、前の人喰い宝箱を残りの全員でひたすら集中攻撃して倒す。
カシャーン!
硬質なガラスが繊細に砕けるような澄んだ音をたてて、人喰い宝箱が光のエフェクトと共に消えていった。残すは後ろのモンスターの集団だ。
陣形を組み直して、後ろのモンスター達を次々と殲滅していく。最後のモンスターを倒したと思った瞬間、宝箱があった側の陰から、サハギンモンクが後衛のエリーに襲いかかってきた!
『護る!の腕輪』の特殊効果で、俺の体が自動的にエリーをかばう!
ドガッ!
重い一撃が俺の腕に叩き込まれたが、続けて連続攻撃を受ける事は無かった。
ザシュ!
頭上の吹き抜けから突如飛び降りて来た
「最後まで気を抜くな。勝ちを確信した時こそ最大の
頭上から現れたのは黄色いカエル人間だった。
「魔王軍の新手のモンスターか!?」
イーリアスが問い質し、刃を向けて警戒するが俺がそれを遮る。
「待て、イーリアス! 彼は味方だ!」
「我が名はケオルグ。ギャマンガエル人の水の勇者ケオルグだ」
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