第68話 鉄仮面狩り (ざまぁ回)

 怒りくるって手当たり次第に攻撃してくる超人魔王アイスは、たった一人で俺達全員の連携攻撃を凌いでいる。


 凄まじい戦闘能力だ。


 エネルギーを生み出し続けているらしき、あの呪いの鉄仮面をなんとかしたいと思いながらオーラパンチを繰り出そうとしたその時、イーリアスと何かが繋がった!


「イーリアス!」


「おうとも!」


「「アルティメットユナイトスキル、『筋肉の伝道師ヘル・ミッツョネルズ』発動!」」


「オーラパワープラス!」

「暗黒パワーマイナス!」

 

 俺の左腕からは生命の根源の力を具象化した、プラスの力オーラパワーが、イーリアスの左腕からは暗黒世界の根源の力を具象化した、マイナスの力暗黒パワーが超人魔王アイスを挟み込んでそれぞれ放射される! 


 お互いに強力に引きつけ合う、オーラパワーと暗黒パワーの力場に絡め取られた超人魔王アイスの身体が、ブブブと微細に揺れながら僅かに浮き上がり宙吊りにされる!


 さながら空中にはりつけにされているかの様だ!


 二人の両極の力が最高潮に高まった瞬間、一瞬にしてアイスの顔面を挟んで俺とイーリアスの左腕がぶつかり合う!!

 

「「仮面必剥雷理熱刀クロスボ厶バー!!」」


 ガァシイィ!!


 呪いの鉄仮面が超人魔王アイスの顔から浮き上がった!


 アルティメットスキル『仮面必剥雷理熱刀クロスボ厶バー』の『必ず仮面マスクを剥がす』という特殊効果により、アイスの顔から30センチ程浮き上がっている。


 アイスの魂に複雑に絡み合い、こんがらがる糸の様だと破邪の剣が言っていた、呪いの線一本一本が磁石にくっついた砂鉄の様に、一本一本が真っ直ぐに伸びた赤黒い線となってアイスと呪いの鉄仮面を繋いでいる。


「今だ、破邪の剣はっつぁん!」


 俺の呼び掛けに応じた破邪の剣が、破邪モードとなり実剣の部分から伸びた真紅の剣身をもって、剣みずから飛来して超人魔王アイスの顔すれすれをなぞる様に赤黒い呪いの線の束を断ち斬る!


「があぁぁぁぁ!!!」


 超人魔王アイスは断末魔の様な叫び声を上げて、バタリと崩れ落ち、倒れた。


 アイスの近くに落ちた呪いの鉄仮面が、再び宿主を求めて赤黒い呪いの線を触手の様に伸ばし始めた!


破邪の剣はっつぁん! まだ終わっていない!」


『わ〜かっとるわい! 儂に任しときや!』


 破邪モードのままの破邪の剣が、呪いの鉄仮面を串刺しにする。


 バガン!

  

『おほおぉぉぉ! きたぁ! エネルギーをどんどん吸い取ったるで〜!』


 破邪の剣の柄頭の白と黒の光がより強く、濃くなり、剣全体に纏っていた真紅もより濃い色へと変化した。


 真っ二つに割れた呪いの鉄仮面から、黒いモヤのようなものが浮き出てきて、断末魔の声のような耳障りな音が聞こえ、その後黒いモヤも鉄仮面も霧散した。


「アイス君!」


「アイス!」


 エリーとゴライアがアイスの安否を求めて近づこうとする。


「待て! まだ何があるかわからない! まだ近づくな! 破邪の剣はっつぁん。アイスの状態はどんなだ?」


『せやな、呪いは完全に魂から綺麗に分離できとるで。何かに操られるという事はもうないやろう。ただ、無理矢理引き剥がしたからなぁ、魂にも多少は傷がついとるかもしれん。そうでなくともあの呪いの鉄仮面が魂を蝕んどったしな』


「つまり?」


『しばらくは目を覚ますことは無いっちゅうこっちゃ。そして目が覚めるかどうかは誰にもわからん』


 そうか。それを聞いたゴライアがアイスに駆け寄り、エリーも後を追う。


 「アイス!」 「アイス君!」


 今度こそアイスの元へと駆け付け、介抱する二人。


 しかし、二人の献身の時間を阻む存在がいた。毒竜ファーヴニルだ。


 雄叫びを上げての尻尾ぶんまわし攻撃が迫る!


 俺は毒竜ファーヴニルの尻尾を受け止めると、ゴライアとエリーに指示を出す。


「ここはまだ危険だから、ゴライアは戦場の外までアイスを連れて退避してくれ。エリーはローザカエルをゴライアに渡してくれ」


 ローザカエルは、虫かごの中でひっくり返っている。こちらの戦場に来る前に破邪の剣が破邪モードで紅い剣身をローザカエルの胸に突き刺して、『疑似超人薬』を祓っておいたらしい。


「ゴライア! 全てが終わって俺達と合流するまで絶対にローザのカエルを回復させるなよ」


「わかった。必ず約束は守ろう。この後お前達が何をするのかはわからんが、絶対に死ぬなよ。世話になったな。また後で会おう我が妻よ。そしてエリーとエリーの仲間達もありがとう。助かったぞ。ではさらばだ!」


 ゴライアが俺の言いつけを守り、勇者アイスを背負って去っていく。


 ······だからお前の妻じゃねーし!


「みんな、ここまでありがとう! ようやくこれからが予定通りの『聖地チャンティ湖』でのイベント開始だ。連続戦闘で悪いが、俺が『竜王(幼生体)シーラ』を救出してくるまでの間、この場は頼む。毒吸収薬と毒竜のHP回復を切らさないようにしてくれ」


「はい!」


「おう!」


「「ぷえっ!」」


「よし、それじゃあ行って来る! 破邪の剣はっつぁんも一緒に来てくれ。ザック頼むぞ!」


 俺がザックに騎乗すると、ザックは力強く羽ばたき空を飛んだ。


 待ってろよシーラ。今助けてやるからな!




 

 ――――――――――――――――――――――――――――


  あとがき

 

 いつも応援していただき誠にありがとうございます。


 VS勇者アイスパーティー戦、いかがだったでしょうか? 皆様に楽しんでいただけましたら幸いでございます。


「面白かった!」

「続きが気になる!」

「今後どうなるのっ・・・!」


 と思っていただけましたら


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https://kakuyomu.jp/works/16818093077952549761


のレビューから、作品への☆☆☆評価を是非お願いいたします。


 面白かったら星3つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちで、もちろんOKです!

 

 作品、作者のフォローや、

 応援♡もいただけると本当にうれしいです。


 応援コメントも随時お待ちしております♪


 執筆の励みになりますので、よろしくお願い致します♪    

 


 おしらせ♪


 拙作『美少女モンクにTS転生した俺はとにかく殴る!たまに蹴る!』ですが、皆様の熱い応援のおかげで10万PV、作品フォロー1000、星レビュー500を達成致しました!


 望外の喜びであります。

 読者の皆様お一人お一人に謹んで感謝を致します。


 第二部も後残り数話となりました。引き続き応援よろしくお願い致しますm(_ _)m

 

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