第67話 超○イ○人

 硬質なガラスが繊細に砕けるような澄んだ音をたてて、ネア=モースジードが光のエフェクトと共に消えていった。


「みんな良くやってくれた! エリー『毒吸収薬』を頼む! こっちは、アイスが強過ぎてかなり厳しい戦いになっている! みんな必ず『竜の力』でレベルをかさ増ししてから来てくれ!」


「『毒吸収薬』! わかりました! ルイちゃんは私達がそっちに着くまで守備に徹してください!」


 エリーが調合してくれた毒吸収薬を使用したタイミングで視界がぶれる!


 チョコが光のエフェクトを見てネアを倒した事を察してくれたようだ。再びチョコのスキル『チョコ・ラ・エービー』でザックとアイスの方へと戻って来た。


 うおっ! たった少しの短い間に、ザックがボロボロになっている!


「ザック! 大丈夫か!?」


「ぷえっ!」


 俺が来たことで余裕が生まれたのか、ザックがチョコヒールで自ら回復している。


「ルイ! 貴様ネアを! ネアを殺したな!? 許さん! 許さんぞぉ! もう遊びは終わりだ! 全員まとめて今すぐ殺してやる!」


 そう吐き捨てながら、アイスが俺に特攻して来る。怒髪天を衝く様相で、オーラを全身から溢れさせ、アイスの金髪が全て逆立っている。

 

 アイスのスキルを織り交ぜた猛攻が押し寄せてくる!


「死ね!」


「おらぁ!」


 ドガガガ!


「なにぃ! 貴様なぜ本気の俺の攻撃に耐えられる!?」


 調合薬『竜の力』で最初よりレベルが20も上がっている。ネアを倒した時にもレベルが上がったしな。


 上空のザックからの援護も的確で、撃ち負けて被弾してはいるものの、一方的にやられてすぐに俺が死ぬという状況になっていない事で、アイスの怒りがさらに爆発した!


「くらえ! 『ブラッディスクリュード』!」


 左手を前に出して俺を幻惑しつつ、狙いすました高速の螺旋の刺突が迫ってきた! やばい! 防御無視の必殺の貫通攻撃だ! かわし切れない!


 ジャグググ!


「ぐあぁ!」


 鉄壁を誇るカチモンの代名詞たるチャイナドレスに大穴が空き、俺の脇腹が抉りとられた! HPが激減しているところに、更にアイスの追い討ちが来る!


「死ね!」


「ぐおおっ!」


 ドガガガ!

  

 やばい! 死ぬ! なんとか耐えろぉ!


 「グラァアア!」


 毒竜ファーヴニルの狙いすました猛毒ブレスが、俺とアイスをまとめて亡き者にせんと襲いかかってきた!


 しかし毒の効かないアイスは、とどめを刺さんと平然と俺に攻撃を続けてくる!


 俺はアイスの一撃をわざと受けて、毒のブレスの方に吹き飛ばされて行った。毒のブレスを浴びることで、調合薬『毒吸収薬』の効果でみるみるHPが回復していく。


 同じく毒のブレスに飛び込んで追撃してきたアイスの連撃になんとか耐える!


 毒のブレスが止んだ所で、待ち望んだ仲間達の声が聞こえた。


「ルイちゃん!」 


「ルイ!」


「ぷえっ〜!」


「我が妻よ! 無事か!?」


 イーリアスのスキル『暗黒』と、チョコの『チョコメット』がアイスに叩き付けられる! 

  

 ダメージを負っても、アイスはすぐに自ら魔法で回復している。しかし、やっと俺にも余裕が生まれた。インベントリからアイテム『エクストラポーション』を取り出しHPを全快にさせる。


 文字通り死ぬ一歩手前まで追い込まれていた。危ない所だったな。タイミング良く毒竜ファーヴニルが毒のブレスを放ってくれて助かった。俺にテイムされたいのかな?

 

 イーリアスが超人魔王アイスに問いかける。


「魔王軍の幹部は討伐した。光と共にマナへと還ったぞ! 超人魔王よ、お前も観念して我らが軍門に下れ!」


「魔王軍の幹部だと!? ネアのことか、ネアのことかぁぁぁ!! 鉄仮面よ! 俺にさらなる力をよこせぇぇぇ!」


 怒りを再度爆発させたアイスから、さらなるオーラが湧き上がり完全に目視できるレベルとなった。どす黒い赤のオーラを纏い怒髪天を衝く超人魔王アイスの様はまさにスーパーアイス人といったところか。


 上空にザック、前衛に俺とイーリアス、後衛にエリーとチョコと護衛のゴライア。陣形を敷いてこちらに飛び込んで来たアイスと対峙する。


「うおおぉぉ!」


 怒りくるって手当たり次第に攻撃してくるアイスは、たった一人で俺達全員の連携攻撃を凌いでいる。


 凄まじい戦闘能力だ。


 エネルギーを生み出し続けているらしき、あの呪いの鉄仮面をなんとかしたいと思いながらオーラパンチを繰り出そうとしたその時、イーリアスと何かが繋がった!


「イーリアス!」


「おうとも!」


「「アルティメットユナイトスキル、『○○○○○○』発動!」」

  



 

 ――――――――――――――――――――――――――――



 ここで出てくるアルティメットスキルはこれしかないでしょう! ここまでの文中にヒントは出してあるので、今回はノーヒント! これでこれから繰り出すアルティメットスキルが、わかってしまう人がいたら最高に嬉しいですね(^_^;)


 作者の考えが読めてしまうよ、という猛者の方、コメント求む! 違っていても良いじゃないか(^o^)


 ここまでお読みいただき、応援してくださいまして誠にありがとうございます♪

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