第35話 朝の儀式がレベル4に!? (ちょいエロ)

 翌朝、日の出と共に起きると、エリーもほぼ同時に起きてきた。イーリアスとカサンドラは風呂上がりにも二人で飲みながら話し込んでいたから、まだ起きないだろうな。


「おはよう、エリー」


「おはよう、ルイちゃん」


 いつものように朝の挨拶を交わし、いつものように筋トレをし、いつものように自分のけしからん膨らみをこっそりとひともみし、いつものようにエリーの発育を促す。


 朝のルーティンは毎日続けることに意味がある。

 

 一日サボると取り戻すのに三日かかるのだ。


 継続は力なり。


 そうやってトレーニングに勤しんでいると、イーリアスがムクリと起き上がり一言。


「おはよう、何をやっているんだお前達?」


 ナニを?


 トレーニングですがナニか?


「朝の日課のトレーニングだよ」


「なんのトレーニングなんだ?」


「エリーが悩んでいたから成長の為のトレーニングだよ」


 ドヤ顔で言う俺。こういう事は強気で、さも当たり前であるかのように言わなければいけない。そうじゃないと、いかがわしい事をしていると勘違いされてしまうからな。


「傍から見ていると、すごく楽しそうだな。私の故郷には『郷に入っては郷に従え』ということわざがあってだな、親睦を深める為に私も仲間に入れてもらおうかな」


 そのことわざ、俺の故郷にも有ります。


 良いことわざですね。

 素晴らしいと言わざるをえない。


 俺のより更に大きなイーリアスの膨らみへと一歩近づこうとしたその時、エリーが先に動いた。

 

「駄目です! ルイちゃんの手はいけません! かわりに私が揉んであげます!」

 

 エリーが何故か必死だ。俺の手の何がいけないんだろう? 何かいけない理由でもあったか?


「ではお願いしよう」


 イーリアスが朗らかに笑うと胸を突き出した。


 美少女が美女の胸を揉む。


 眼福ですな。


 通常であればなかなか拝めないシチュエーションを楽しんでいると、更にもう一つの声がした。


「あら、リアったらお友達ができて朝から楽しそうね」


 いつの間にか起きてきたカサンドラが言うと、澄まし顔のイーリアスが答えた。


「二人の朝の日課らしいので、私も仲間に入れてもらいました」


「あらあら、じゃあ私も仲間に入れてもらおうかしら?」


 そう言って、一人空いていた俺の前にやって来てさあと胸を張った所に、ズダダダッっとエリーがやって来てまた同じ事を言う。

 

「駄目です! ルイちゃんの手はいけません! かわりに私が揉んであげます!」 


 美少女が美熟女······子供がいるとはいえ、熟女と言うには失礼な若さだな。


 魔女が美魔女の胸を揉む。


 眼福ですな。


 揉みながらエリーがカサンドラに人生相談をしている。


「どうやったらこんなに大きくなるんですか?」


「そうねぇ。まだ私が娘だった頃の侍女の話では、大豆を食べると良いらしいわよ? なんでもイソフラボンとか言う成分が女性に良いんだって言っていたわ。それからもっと良いのが、チヨコの実なんですって。イッソムネボンというのが入っていて効くらしいわ」


 口元に指を当てながら思い出した話をするカサンドラ。そしてその話を聞いた瞬間キュピーンっと目が光るエリー。


 この分ではチョコザ用のチヨコの実が食べ尽くされてしまいそうだな。また群生地を探してたくさん採集しておかなきゃいけないな。


 そうこうしているうちに、胸にさらしを巻いて平氏装備に身を固めるイーリアス。俺も着替えておくか。


 エリーによる絞り込みが一段落したので、皆で朝食を取った。その後宿の外に出て、チョコとザックとエリーにチヨコの実を食べさせてあげていると、晴れ渡っていた空に、にわかに暗雲が立ち込めてきた。


 特に真っ黒な塊が徐々に人型に近付いていくと、おどろおどろしい声が響き渡った。


「イーリアス! よくも裏切ってくれたな! 魔王の呪いをどうやって解いたかは知らんが、次はお前の大事な母親を切り刻んだ後で、この死霊魔王ゴルゴンダ自らゾンビとしてくれるわ!」


 イーリアスの額に青筋が浮かび上がり、ギリギリと歯を食いしばっている。


「安心するがいい! この街の人間全ても、そしてお前もアンデッドソルジャーとして、決して裏切らぬ魔王軍の尖兵として使ってやろう! 大規模侵攻のために揃えた一万体の我が死霊軍団の精鋭相手にどこまで持ち堪えられるかな!? ファファファ!」


「おのれ、死霊魔王ゴルゴンダめ!」


 イーリアスが怒り心頭だな。マナが荒れ狂っているように感じる。せっかく復活させた母親の事をあんな風に言われたら無理もないか。それにしても、イベントが早まってしまったのはなぜだろう?


 このイベントは、本来魔王城に突入した後で、途中で先に進む事ができなくなる事により、一旦街に引き返すと起こるイベントだったはず。しかもゲームではやたらと長い連続バトルが続いていただけだったんだが、現実では一万体もアンデッドがいるのか。


 俺達のパーティーには、魔法系の仲間がいないからな、数で来られると厄介だな。


「エリー、アルティメットユニゾンスキルは一人では使えないかな?」


「あれは2人以上のレクイエムが使える者によるハーモニーで成り立っているので、私一人では無理です!」


「イーリアスは暗の剣と黒の剣はアンデッド相手にも使える?」


「無論! 我が暗黒剣は負のエネルギーを操ることを奥義としている。アンデッドからは直接負のエネルギーを吸い取る事で、ただの屍に戻すことが可能だ」


「そうか! 良し、皆にこのチヨコの実を渡しておく。これを食べれば腹が減らないから、継戦能力が伸びる。水はちゃんと飲むようにな。チョコとザックはエリーの援護をしつつ、チョコヒールをアンデッド共にばんばん使ってくれ」


「「ぷえ〜!!」」


「カサンドラさんは安全な所に避難していてくれ! 急いでロングブリッジの方に行こう!」


 俺は何人であろうと、いつも通りひたすら殴る!!


 


 

 

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