閑話 一方その頃勇者パーティーは・・・その3
近隣では最難関である湖沼のダンジョンを踏破したにもかかわらず、ホウツイの街の冒険者ギルドで冷ややかな視線を浴びせられた勇者パーティーは、釈然としない気持ちのままナイヤチ村へと向かった。
「ホウツイの街を探してもエリー達は居ないし、もう今頃はナイヤチ村まで引き返しているんだろう」
勇者アイスがそう言うと、黒魔道士ローザが相槌をうつ。
「きっと、ぺったん娘達はナイヤチ村で英雄面して、ちやほやされているんですよ」
「そうだろうな。気に入らんな」
「そんなことよりも、更に磨きをかけたこの筋肉を、ルイに見せ付ける事が出来なかったのが残念だ。早くレスリング勝負を挑んで、俺の妻としたい」
常に平常運転。マイペースを崩さないのがゴライアの長所でもあり、短所でもある。
「この辺りの野良モンスターは、もはや我々の相手になりません。道中は問題なくナイヤチ村まで行ける事でしょう」
そう白魔道士ネアがまとめると、勇者パーティーは黙々とナイヤチ村までの旅路を進んだ。
一泊野営をしつつ歩く事二日、勇者パーティーはナイヤチ村へと到着した。
早速、喜び勇んでゴライアが村中を駆け回ってルイを探すが、どこにもいない。
「むぅ······我が妻(の予定の)ルイがおらんではないか」
しょんぼりとしながら、村の広場へと戻り皆と合流したゴライア。
「取り敢えず今日の所は宿屋で一泊して、併設の酒場で情報収集しましょう」
宿屋併設の酒場でネアが、マーとソコという二人組の冒険者から情報収集したところ、エリーとルイは国境の街メカイデカを目指していたという事が判明した。
勇者パーティーも、元々ヴィクトリア聖国を目指していた事もあり、翌日からメカイデカに向けて出発する事となった。
その日の夜もいつものようにアイス、ネア、ローザは相部屋、ゴライアは一人部屋で、それぞれ激しい汗を流した後に眠りについた。
翌日の朝からは、通り道にある村や街の近隣のモンスターを討伐しつつ、一路北東に向かい、約30日かけてメカイデカへと到着した。
その間、倒しに倒しまくったモンスター討伐の成果で、勇者パーティーの面々のレベルは、以下のように大きく上昇した。
勇者 ∶アイス ∶レベル22→35
ナイト ∶ゴライア ∶レベル24→37
黒魔道士 ∶ローザ ∶レベル23→36
白魔道士 ∶ネア ∶レベル23→36
メカイデカの街に、入場料の免除をしてもらい入った勇者パーティーは、ひとまず冒険者ギルドに行くことにした。
冒険者ギルドの扉を開き中に入ると、ザワザワとしたギルド内の酔っ払いの間では、最近伝わってきた先日の、隣国ヴィクトリア聖国で起きたリッチ討伐、そして聖女誕生の話でもちきりだった。
「凄いよなあ〜! エリーちゃんは遂にヴィクトリア聖国で、ライート神教の教皇様から直々に聖女と認められたらしいぞ」
「おう! 俺も聞いたぜ! ジャイアントタートル討伐の時からルイちゃんもエリーちゃんも凄まじいと思っていたけど、俺らが思うよりも、更にずっと凄い子達だったんだな」
「あ〜、俺あの時のエリーちゃんの生歌を聴いてからファンになっちゃったんだけど、もう畏れ多くて話しかけられない感じかなぁ?」
「いや、エリーちゃんはそんな子じゃないだろ。きっと気さくに、また俺らに歌を披露してくれると思うぜ」
会話の話題が
ちょうどその時、勇者パーティーの背後の、冒険者ギルドの扉がギギィっと軋みながら開くと、少しの静寂の後、どっとギルド内がわいた。
「うおぉ! ルイちゃん、エリーちゃんおかえりー!」
「エリーちゃん聖女就任おめでとう!」
「ルイちゃんリッチ討伐すごすぎるぞぉ!」
「エリーちゃん、聖国での冒険譚を歌ってくれぇぇぇ!」
「おお! 我が妻(の予定の)ルイよ! 探したぞ! さあ、まずは肉体美を競い合おうではないか! その後はレスリングにて雌雄を決しようぞ!」
ゴライア、大興奮!
感極まって、返事も待たずに、必殺の早着替えスキル(システム外スキル)を発動!
「ふおぉぉぉぉ!
一瞬でブーメランパンツ一丁になったゴライア!!
静まり返るギルド内!!
リラックスポーズからの〜ダブルバイセップス!!
ラットスプレッドからのぉ〜サイドチェスト!!
き、決まったぁ〜!!!
「ふざけるな!!」
勇者アイスのエリーへの怒りが爆発し、大喝がギルド内に轟いた。
――――――――――――――――――――――
遂に再び出会ってしまった、勇者パーティーとルイパーティー。
二つのパーティーは今後どうなってしまうのか······
「面白かった!」
「続きが気になる!」
「今後どうなるのっ・・・!」
と思っていただけましたら
目次のページ
https://kakuyomu.jp/works/16818093077952549761
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