閑話 一方その頃勇者パーティーは•••その1
冒険者ギルドにて、無能の吟遊詩人エリーを追放した後、女モンクのルイにレベル差を見せつけられた勇者パーティー一行は、行きつけの食堂で口々に不満をぶちまけていた。
「あの女何よ! なんでウチのパラライズが効かなかったわけ!? モンクなんでしょ!? ありえないんですけど!」
中でも黒魔道士ローザの怒りは相当なものだった。赤い巻き毛を振り乱して、まくしたてる様はまさに激おこである。
「偶然ではなく、生まれつきの体質らしいですよ。特殊な種族ならともかく、人族で生まれつき耐性が有るなんてあり得るのでしょうか?」
白魔道士ネアのもっともな疑問に、勇者アイスと
「ルイと言ったか、まさかこの俺があんなチビスケに力負けしてしまうとは······」
「そうだぞ、ゴライア。力負けしてしまうとは情けない」
「バカを言うなアイス。情けなくはない。単純にレベルがルイの方が高かっただけだ。決して俺の筋肉が負けた訳ではない。よく見ろ!」
そういうと、腕の筋肉を見せつけるかのようにポージングをとり始めたゴライア。
勇者アイスと
「それにしてもアイスよ、ルイのあの
「けっ! 勝手にやってろよ。 それにしてもあの女モンク、冷静に考えると中々良い女だったな」
「む、いかんぞアイス。お前にはもうネアとローザがいるではないか。あの
「そうですよ~。勇者様にはウチがいるっしょ。せっかくエリーを追放したのに。ネアもこれ以上女が増えたらイヤでしょ?」
ローザが豊かな胸をアイスに押し付けながら、ネアに問いかけると、ネアはまた違う考えのようだった。手の指を組ながら、あくまでもたんたんと語る。
「私はアイス様にはハーレムの主が相応しいと思っていますから、もっと大勢いて良いと思っていますよ。戦闘の邪魔になるような女は遠慮したいですけどね」
「ルイならば戦闘の邪魔にはなるまい。俺がレベルでも上回り、屈伏させてから俺の
ゴライア、ルイをロックオン。
この時ルイは、妙な寒気を感じていたとか、いないとか······これはまた別のお話である。
「ゴライア、お前の筋肉計画はどうでもいいが、次に合った時は俺達の方がレベルで圧倒してあの女に吠え面かかせてやるぞ。ネア、今一番レベルを上げやすい所はどこだ?」
「前回潜っていたリザードマン系の湖沼のダンジョンが最適かと。足手まといのいないこの4人なら、もっと深層まで潜ってレベルアップも効率的にやれるはずです」
「よし、すぐに行くぞ」
湖沼のダンジョンにやってきた勇者パーティー一行は第一層で困惑していた。
リザードマンの猛攻に全身鎧と盾で耐えながら、魔道士の二人をかばうゴライア。中々発動しない魔法の援護にたまらず声を荒げる。
「おい! 速く魔法を放て! いつまで詠唱しているんだ!」
「うるさいゴライア! ウチはいつも通りやってる! 耐えきれないのは、あんたがひ弱になったんじゃないの!?」
「アイス様! 敵の取りこぼしがないように確実に一体ずつ仕留めてください!」
「なんかおかしいぞ! 前回はスキルを使えば俺の剣で一撃で倒せていたのに!」
彼らは理解していなかった。今までの戦闘中では、エリーが必死に『すばやさの歌』と『ちからの歌』で援護をしていたことを。
この歌の利点は魔法と違い
◇◇◇◇◇
以下は主人公と勇者パーティーの初
細かな数値は知らなくてもストーリーには影響しないので、読み飛ばしてもらっても大丈夫です。
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勇者パーティーステータス 一部抜粋
名前∶アイス
性別∶男
年齢∶15歳
職業∶勇者
レベル∶15
HP ∶378/378
MP ∶154/154
力 ∶70
体力 ∶70
素早さ∶66
器用 ∶64
知性 ∶64
精神 ∶64
運 ∶11
名前∶ゴライア
性別∶男
年齢∶16歳
職業∶ナイト
レベル∶17
HP ∶508/508
MP ∶75/75
力 ∶89
体力 ∶89
素早さ∶54
器用 ∶45
知性 ∶27
精神 ∶35
運 ∶5
名前∶ローザ
性別∶女
年齢∶15歳
職業∶黒魔道士
レベル∶16
HP ∶141/141
MP ∶203/203
力 ∶26
体力 ∶26
素早さ∶27
器用 ∶51
知性 ∶92
精神 ∶77
運 ∶7
名前∶ネア
性別∶女
年齢∶18歳
職業∶白魔道士
レベル∶16
HP ∶144/144
MP ∶203/203
力 ∶26
体力 ∶27
素早さ∶26
器用 ∶51
知性 ∶77
精神 ∶92
運 ∶6
吟遊詩人∶エリー
レベル11(最初期の、パーティー戦闘時、戦闘不能による経験値未取得多数あり)
ー勇者パーティー追放除籍処分ー
――――――――――――――――――――――――
主人公ステータス
モンク∶ルイ
レベル24
HP∶910/910
MP∶59/59
力 ∶121
体力 ∶129
素早さ∶99
器用 ∶72
知性 ∶24
精神 ∶25
運 ∶36
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