レイブン

 ミーティングルームはクロトの執務室♡と同じフロアにあった。珍しく俺は緊張しているようだ、部隊メンバーは俺の命綱に等しい、もし探索中にはぐれたりしたらまず間違いなく命を落とすことになるだろう。だから部隊メンバーとの意思疎通、信頼関係は何より重要だろう。できるだけいい印象を与えなければ、ドアを勢いよく開け周囲を見渡す。部屋にいる人数は、4人その4人はそれぞれが好き勝手していた。一人は寝ている者、一人は端末を忙しなく触っている者、何らかの資料を読んでいる者、そしてエレベーターで会った金髪の少女がこちらをまた睨んでいた。


 彼女達の前にクロトと二人で歩み出る。


「お前たちに今日から配属したお前らの上官を紹介する。少尉自己紹介しろ」


「先日、軍学校から資源開発省への任命を受け、今日配属となった。これからよろしく頼む」


 彼女達4人を見ると、資料を読んでいる女性は黒に近い青色の髪をハーフアップでまとめてメガネを掛けた理知的な雰囲気をしている。自己主張の激しい胸が机に乗っています!ごちそうさまです。

 端末を触っている女性はミルクティーのような明るい茶色の髪をサイドテールをシュシュでまとめている。自己主張の激しい胸というわけではないが彼女も素晴らしい。ちらっとその端末の液晶を覗き見ると見なければ良かったと後悔した、うん腐ってる彼女は腐ってた。

 げんなりとした気持ちを引き摺りながら寝ている女性を見る、黒い髪を背中まで伸ばして実に綺麗だ天使の輪もあって健康的そしてアイマスクと耳栓をしていた、ちゃんとマイまくらも完備して机にうつ伏せなっている。うん気持ちよさそう、胸はよく分からなかった。(別に胸ばっかり見てるんじゃないんだからね!)

 そして、睨んでこちらを見ている彼女は金髪の髪を腰の上辺りまで伸ばし前髪を眉毛ほどで綺麗に切りそろえている、非常に綺麗な顔をしているのだが眉間に皺がより非常に怖い、手を伸ばしたら爪で引っ掻かれそう。なんか初めて合った猫っぽいなぁ〜と思った。あとなにがとわ言わないが乞うご期待!



 彼女たちは視線をちらりとこちらを見るとまたそれぞれ自分の事に戻っていった。これ大丈夫か?一人は寝てるし、一人はずっと睨んでくるし、なんでこんなに睨まれるんだ?


「じゃあ少尉あとは任せた。 私は、まだ仕事があるから失礼する」


 クロトが部屋を出ていき、これからどうするか頭を悩ませると資料を読んでいた女性が話しだした。


「軍学校を次席で卒業、総合評価SSを取っている。実際は首席だったようだが出自が問題視され次席にされたようだ。作戦評価S、軍事行動S、肉体強度S、ほとんどでS評価されている。今まで配属されてきた新人の中でダントツですね。」


「中央にハッキングして入手した情報だから間違いない。これだけの成績を取っているのは前代未聞らしい、少尉人間?」


 端末を今も触っている女性が俺の情報を洗い出したらしい。腐っているだけじゃないのね、あと中央のセキュリティザルじゃね?大丈夫か?俺の情報が丸裸にされているのですが?フラムに後で教えとこ。


「・・・・・ZZZ」


実に心地よさそうに寝ている。羨ましい俺も現実逃避して寝たいんですけどっと思っていると。寝ている彼女がどこからか枕を取り出してくれた。寝ながら行動できるなんて実に器用だ、でわありがたく受け取る。わぁ〜ありがとうフワフワだ〜すやー



「ちょっと何寝てるのよ!これから明日の実戦のミーティングをするんでしょ!別に貴方が死にたいなら勝手だけど、私達まで巻き込まないでよね!」


はわわわ、まさか!まさか!こちらを睨んでいた彼女はツンツンさんですか!懐かしい孤児院に初めて来た時のルミスを思い出すなぁ、ルミス元気にしているかなぁお兄ちゃん心配、うーんじゃあそろそろ真面目に仕事しよう、流石に死にたくないし。


「明日実戦?初めて聞いたが?そうなのか?なら明日の話の前に名前を教えてくれ。戦場での指示を出すのに支障をきたすからな。俺の事は少尉と呼べ、じゃあまずは巨乳・・・眼鏡の彼女から頼む」


 こちらが凍えてしまいそうな眼差しを向けて挨拶をしてきた。だって彼女おぱい大きいんだもん、俺は悪くない!そのおぱいが悪い!


「初めまして少尉、私はシヴァ所属のレイブン「アイン」です。主に斥候を主体として活動しています。私の身体が魅力的なのは分かりますが、汚らしい視線をこちらに向けるの止めてください。むしりますよ・・・」


 膝ががくがくと震えるのを気合で抑えながら、どこがとは言わないがすごいこんなに縮み上がったの私初めてっと内心のドキドキを隠しながら端末の彼女に挨拶を促す。


「少尉はじめてしたのいつ?穴緩くない?こんど一緒にバーに行こう、私がおすすめのお店教えてあげる。私は、スサノオ所属レイブン「ヨミ」、情報分析を担当しているよ」


 どこがとは言わないが、穴がキュッとした、すごいキュッとしたこの子と二人で飲みに絶対行かないと固く誓った。俺の貞操の危機だ。苦笑いを浮かべながら次の寝ている彼女を起こそうとしたらいつの間にか起きていた。アイマスクしたままだけど・・・


「・・・ネム、初めまして少尉、シヴァ所属レイブン「ネム」です。主に寝る担当以上・・・おやすみなさい」


 寝る担当ってなんだ?新しい職業が俺の知らない間に世間で浸透しているのか?あといい加減寝るの止めなさいと、彼女の身体を揺すっても一向に起きる気配がない、

ふぅ〜とため息をするやれやれ触れたら引っ掻かれそうな彼女に挨拶を促しますか〜さぁどんと来い、俺はどんなツンツンでも受け入れる自身がある。


「やっと私の番ね、聞きなさい少尉私はオーディン所属レイブン「ニル」よ、私は戦闘が担当ね。みんな戦闘出来るようになっているわでも私は特に戦闘に特化した能力を持っているの。あんたが死のうがどうでもいいけど、みんなの事は私が守るわ!あんたは死なないように這いずり回ってなさい!」


 ほー俺は守らないと言うのね、それは非常に困る。ここは一つ説得しないと。それにしてもこの部隊はなかなかバランスが取れているのか?一人寝る担当は意味分からないが。斥候、情報分析、寝る、戦闘、穴ができないようよく考えて組まれているのだろう。あと医療要員がいれば良かったがまぁなんとでもなるだろう。医療キットもあるしな。俺としては非常に運用しやすい、なんとかなるだろう。実戦前に能力を確認したいが、もうあまり時間がないなぁ、しょうがない実戦で確認するか。


 「ニル!君が私を守らないと大変な事になる!私はどうやらノア様やクロト司令などの上層部から大変よく思って頂いているらしい、もしこの私に何かあったら君達になにかしら処分があるかもしれない。そのことをよく考えて行動してくれ!」


 ふふふこれぞ処世術!俺は死なんぞ!さぁ俺を守るがいい!痛い目に遭いたくなかったらなぁ〜ふはははは

 

「それなら大丈夫よ!新人だから扱いて差し上げなさいと言い渡されているわ!さぁ死の一歩手前まで私達が連れて行ってあげるわ!喜びなさいよね!」


 ふははははは?本気ですか?あの腐れ妹!やはり腐れの関係者油断も隙もない糞が生きて帰ってきたら覚えとけよー!






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