第40話 また偽物だと!?
俺の言葉に震える爺さん達。
何でそんなに驚いてるんだ? 意味がわからない。
———もしかして!?
宝物庫に置いてあった魔法書が、貴重だっだのか!? 俺が盗んだってのがバレた?
俺が困惑し、言葉につまっいると。じーさんが口を開いた。
「…………その魔法は古代魔法で、今やこの世界に使える者などおらん」
「えっ?」
爺さんはそう言ってドカッと椅子に座ると、大きなため息をはいた。
つかえるものがいないだと!? 何を言ってるんだ?
「なぜなら……古代魔法についてや、魔法の詠唱の仕方などが書いてある
…………えっ!? 読めないだって? 簡単に読めたぞ?
「お前に聞きたい。なぜ古代魔法が使えるのだ。どこでその魔法を習った!?」
爺さんが拳を握りしめてドンっと机を叩く。
これは……言葉を間違えるとヤバいぞ。「本に書いてあるままを読みました」何て事は絶対に言っちゃいけねーのは流石に分かる。
なんで俺にその古代文字とやらか読めたのかは謎だが。
「どこでって……それは企業秘密だ!」
「なっ、何じゃ!? そのキギョウヒミツとは!?」
爺さんが立ち上がり、再び俺に近付こうとして来るも、我路に阻止される。
……ったくすぐ近寄ってくんだから。
『乱道様が秘密だと言うことは、即ち話したくないと言うこと。これ以上の質問はお断りします』
我路は日本刀を、爺さん達に突き付けたまま、妖艶に微笑む。
…………我路のやつ、怖くて色っぽいじゃねーか。
「って事でだ、もう良いか?」
じゃっと、右手を上げ受付に歩いて行こうとしたら。
「こっ……コイツは私と一緒に召喚された
おいおい……またその名で俺のことを呼ぶか?
ルミ何とかが、俺を指差しデカい声で偽物と言い放った。
その言葉に再びギルド内が騒がしくなる。
「コイツは自分で聖印を身体中に描いたバカなんだよ!」
そう言って俺を指差しバカにしたように嘲笑うルミなんとか。
おいおい……ルミなんとかよ? またさらに性格悪くなってないか?
「聖印を自分で描いた?」
「そんな馬鹿がいるのか?」
「自分で描いた聖印で、召喚獣を召喚できるとでも思ったのか!?」
「……そんな馬鹿がいるなんて」
ルミ何とかに釣られるように、皆が俺を見て指差しはバカにしたように嘲笑う。
正直めっちゃ感じ悪い。
さすがに腹が立ち、言い返そうとしたら、俺より先に切れている男が居た。
……我路だ。
俺の横で恐ろしい気を放っている。
『なんと……これは馬鹿の集まりですね』
我路が髪を無造作にかき上げると、『全員排除しますか? 我が主を侮辱するなど許すまじ』っと日本刀を振り上げた。
「ちょ!? 我路? 落ち着け」
我路の手を握り、動きを止めようとした瞬間。
俺たちの目の前に、白い物体が現れた。
『らんどーちゃまを侮辱するなんて! 許さないでちよ!』
「うゆ!」
稲荷を背負った琥珀が、何とも間抜けな登場で、みんなの注目を一斉に集める。
……琥珀よ? お前の気持ちはすっごく嬉しいんだがな?
このタイミングで、その登場の仕方はどうよ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます