第二十三話 安心感のある男の子



 ※二十二話の続きです!!





 

 「んーー!!美味っしぃ〜〜♡♡!!!」



 只今私は満面の笑顔でクレープを食べていた。



 今日は期末テストが終わり、放課後が偶々空いている私とトーカを含む8人で遊ぶ事になった。



 そしてお昼は牛丼を食べてから今はその近くの公園の中にあるキッチンカーが販売しているチョコバナナのクレープをキッチンカーの近くの長椅子に座り食べている所だ……





 いやでも…





 このクレープがマジ美味しいの♡♡!!!!






 

 「ユウってやっぱ食べ物に目がないよね(笑)」




 森野阿澄もりのあすみこと"スミ"が微笑みながら私を見つめる。




 「!!…だ、だって美味しいんだもん……!」

 「ユウは笑顔が可愛いからみんな見惚れちゃってるよー?」




 久賀鈴衣ひさかすずえこと"スズ"も私を茶化す。



 「え…」



 ふと周りを見ると…



 あ、なんか見られてるな…




 「で、でも!!そんな可愛い訳ない…」


 「いや可愛いだろ」

 「!!」




 と、柳田薫やなぎだかおること薫がスズに同調する。




 「普通にいい笑顔してるって思ったけどな」


 


 岩滝蒼司いわたきそうじこと"蒼ちゃん"までこう言ってくる……




 「…………////////////」




 私は顔を赤くすることしか出来なかった……



 そんな笑顔してたのか……







 「………」※トーカはこの時、モヤモヤしてました。








 「で、これからどーすんよ?」




 薫が本題に入ろうとした。




 「何か折角だし普段しないことをやりたいよなー」

 



 と、邦山士郎くにやましろうこと邦山君が後頭部に両手を組みながら言う。




 「普段しないことって?」




 薫が質問する……




 「なんかボーリングやカラオケ、スポッチャとかそう言うレジャー施設で遊ぶんじゃなくて何か自然と戯れるような遊び。ほら、森野が"海へ行くか"的なこと聞いてきただろ?名字に反してよ」

 「……あ、確かに……邦山、上手い事言うね」



 邦山君が最後に言ったことに阿澄スミは素直に感心していた。



 「あー、そういう系か……」



 そして、薫が話を元に戻す。








 

 「……あ!!!」

 ピコーン!!!





 「ん?小春?」





 その時、和澤小春かずさわこはること"ハル"が何かを【また】閃いたような顔をした。




 「ふふふっ………私は閃いたしまったのです……」



 そして、こんなことを言い出した。



 「え、何が?」



 私は質問する……




 「みんなが楽しめる遊びと言うのをです!!!!」




 と、小春ハルが声を上げる。




 「シャボン玉とか?水風船とか?」




 「」




 阿澄スミが平然とその"ハルが言おうとしてたであろうアイデア"を口に出す。


 で、



 その言葉を聞いた途端、小春ハルは無言になった。






 「「「「「「」」」」」」(図星か)



 「あー、楽しそうだからいいんじゃね?」




 蒼ちゃんがそのアイデアに肯定する声を上げる。




 「でしょでしょでしょ!!!?」



 ハルは満面の笑顔になった。



 「だってシャボン玉とかってもういつやったか思い出せないでしょ?それに意外と楽しめるしさ!!!」



 そう小春ハルは嬉しそうに語る。




 「「あー、ごめん。最近やったわ」」

 「」




 私とトーカが同時に言う。

 小春ハルは二度目の無言になる。




 「やったんだー♡(笑)?」

 「ロマンチックー♡」



 スミと薫が茶化してきたので……




 「べ、別にただ吹いて遊んだだけだわ!!」

 「トーカが"どうしてもやんないとユウに嫌がらせするぞ"って脅してきたからやっただけだよ!!」

 「何しょうもない嘘でコーティングしてんだよ!!お前が"トーカが吹いたやつを割りたい"って言ったんだろ!!」

 「言ってねーから!!」




 「まぁまぁ、お二人さん」



 興奮する私とトーカを鈴衣スズが宥める。





 「……………で、でも二人でやる時と八人でやる時は違った別の楽しさを感じることもあるかもしれないからどうかな!!」




 小春ハルが可愛い笑顔で笑いながら言う。



 

 「まぁ、水風船はゴミが結構出るしシャボン玉で良いんじゃね?」




 薫は賛成した。




 「だよねだよね!!」

 「俺もそれで納得だわ!!!」



 小春ハルがコクコク頷き、邦山君もいつものように大きな声で言う。



 「じゃあ決定と言うことで!!!バンザーイ!!!」




 と、小春ハルは"小さい子感"丸出しな反応で両手を上げた……



 何が万歳なんだろ……











  


 そして今、私達は都心から離れた海が近くにある自然公園の広場にいる。




 

 「よし!!じゃあシャボン玉セットは沢山買ったし吹いて遊びましょーーう!!!!」



 小春ハルが吹き具とシャボン液の入った容器を上に掲げる。





 そして始まった。










 で、皆さんは察してるかもしれませんが……


 このメンバーな訳です。


 このシャボン玉遊びでどんな感じなのかどうか……







 その答えは……












 「フーーー……」




 ふわあぁぁ………




 「おーー!!!でっけぇ!!森野めっちゃ吹くのうめぇじゃん!!!」

 「当然でしょ?クールなお姉さんは何でもできちゃうのー♡」



 そう阿澄スミははしゃぐ邦山君にウインクをした。



 「//////!!」

 「あれあれ?私が吹いたシャボン玉の中に入りたいとかって思っちゃったかな(笑)?」

 「な//////!!?…な訳ねーだろ…///」

 「えーー(笑)?」

 「ほら、性格悪いとこ出てんぞー?」



 薫が阿澄スミに言う。



 「クールなお姉さんはドSなのー♡」



 そう阿澄スミは意地悪く笑う。




 ふわああぁぁぁ……




 「!!!」



 「俺も中々吹くの上手いでしょ?ねぇ?クールなお姉様(笑)」



 トーカが阿澄スミに向かってシャボン玉を吹く。



 「トーカ君も吹くの上手だね!!フーー!!!!!」

 


 小春ハルが興奮しながら吹いてちっちゃいシャボン玉を沢山生成する……



 「小春ハル落ち着いて。ゆっくり吹かないと大きいの作れないよ?」



 鈴衣スズがハルにアドバイスをし……



 「なるほど!!フーーーー!!!!」

 「だから力を抜いて(笑)」




 広場でわちゃわちゃ吹きながら楽しんでいたって言うのが答え。









 "私と蒼ちゃん"を抜いてね…








 私と蒼ちゃんはみんなと少し離れた所で座ってゆっくり吹いてた……




 「フーーー……」



 


 ふわぁぁ……





 「あ、蒼ちゃんの吹いたシャボン玉大きいね」

 「そうかー?まぁ、適当にやってんだけどさ」

 「私もトーカも吹くの下手くそだったから少なくとも私達よりは全然おっきいよ!」

 「んーー、あんがとね」

 


 と、すぐ会話が終わってしまい無言になるけど蒼ちゃんといること自体は気まずくない。



 なんて言うか…蒼ちゃんだから気を遣わないで済んでるのかなって思う……



 あまり会話はないけど安心感がある……





 「あ、それとさ」

 「ん?」




 私はふと思ったことを蒼ちゃんに聞く。




 「今日はどうして来てくれたの?」

 「……………別に理由はねーかな。ただ……」

 「…………ただ?」






 「伊織が"ボッチになりそう"な時がありそうだって思ったからそれを笑うために来た(笑)」

 




 笑いながら蒼ちゃんは言った。




 「」





 私は蒼ちゃんの肩を小突いて頬を膨らませた。





 でも、まぁ……





 蒼ちゃんがいなかったらみんなの空気に合わせられず本当に"一人だったかも"しれないのは事実なんだけど…(汗)




 

 


 



 完

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