第二十一話 どうしたい?
「いやだよーー……本当にテスト勉強したくないよーー……」
昼休み…
私は一緒のクラスの友達の
そしてこの声を上げたのはテーブルに頬杖をつくスズだ。
「頑張ろ?私も勉強教えるから!」
ルナがそう言い、
「私も教えるよ?」
私もその一言を言った。
「ありがとね!………でもさ、2人が羨ましいよ」
「「え、何で?」」
「2人は勉強が大好きじゃん?私、勉強苦手なんだもーん」
そうスズは頬を膨らます。
「まぁ、高校の定期テストは中学とは違うからね。推薦を使うんだったら基本的に力入れるのは必須だけど一般受験を受けるんだったらまぁ、自分が満足するなら手を抜いて良いんじゃない?」
「でも、どちらにせよ大学行くんだったら勉強は頑張らないといけないからね。だから一般だろうとそこで使う教科の定期テストは頑張った方がいいと思う」
「まぁ、大学行きたいんだったら勉強は頑張れって事だから!」
「手を抜いて後悔するのは自分だけだから!そこで他の人に八つ当たりするくらいだったら全力でやらないとね?」
私とルナは笑顔でそう"長く"言った。
「………………ロジハラはやめてよ……」
スズは声を絞り出すようにそう答える……
「勉強したくねぇ」
「頑張れよ」
トーカは薫と一緒にユウ達と別の学生ホールで昼ご飯を食べていた。
「お前は
「ま、まぁ……そりゃあそうだけどよ……」
「ユウのお陰で定期テストも外部模試も悪い点数や偏差値が出てないんじゃねーのかよ」
「うぐっ………」
「ユウに頼ってばかりなだけなのに勉強したくないは虫が良いんじゃねーの?」
「や、やめろよ…………言い返せねーけどよ…」
トーカは決まり悪そうに薫から目を逸らす。
「お前はユウとはどうしたいの?」
「え…?」
薫はトーカに質問した。
「ユウは多分、大学行くよな。それもかなり最上位レベルの大学に行ける頭があるもんな。この高校も"一応"進学校と呼ばれたりするけどユウはここより上のレベルの高校にも正直行くことが出来たしな」
「」
「…………で、お前はユウとは今後どうしたいの?」
「……………」
「………まぁ、一緒のとこに行きたいだとか何がしたいとか何にせよ、前に進む為には頑張るしかねーけどよ」
「……………」
「まぁ一緒の大学にしたとしても学部によってキャンパスは違ったりするから必ず一緒にいられるとは限らねーけどな」
「……………」(一緒の大学……
進路……か)
トーカは薫に言われたことが頭から離れなかった……
そして、昼休みが終わり午後の授業も終わった。
「なぁ、ユウ」
「ん?」
学校からの帰り道、トーカが不意に私に聞いてきた。
「ユウは将来どうしたい?」
「え?」
「どんな職業に就きたいとかって考えてるの?」
「……………」
不意に聞かれた事に対して私は……
「決まってないな…………まぁ、宇宙関連の仕事についてみたいって考えてるな」
「…………変わらねーな(笑)」
トーカはその一言で笑った。
「しょ、しょうがないでしょ!!それが私なんだから…//////」
私は少し頬を膨らます…
因みに私達は理系だ。
「……………じゃあよ……
俺とはどうしたい?」
「」
「俺……
「………………」
トーカはいきなり更にこう聞いてきた……
"トーカとどうしたい?"
「………………」
「正直、考えたんだよ。俺はユウと一緒の大学へ行きたいって……でもさ、高校と大学は別物だからな。分野によって学ぶことも全然違ってくるからさ………俺自身はよ、あまり宇宙については興味ねーんだよな……まぁ、したいこと自体も全く決まってないけど……」
「……」
「お前とは一緒にいたい」
「!!」
「この気持ちは絶対だ。ずっと…ずっと一緒にいたい…………でも……将来についても考えないとよ……ほら、俺ってお前と比べたら頭は全然話になんねーじゃん?」
「…」
「でよ…それに、ただ一緒にいたいと言うだけで一緒の大学、一緒の学部、一緒の学科に行くってのは違うと思うんだよ………だから……
大学からは別々の道へ進んで…
その、一緒にいられる時間が"なくなってくる"可能性もあるんだわ……」
「」
トーカはこう言うと同時に……
「ずっと一緒でいられなくて悪いな……」
そう謝ってきた……
「当たり前じゃん」
「え?」
私はそう返していた。
「当たり前のことをなんで謝るの?」
「え………いや………」
「トーカも自分で言ってたけどさ、私達はこの先もずっと一緒。それは絶対だよ?それさえ分かっていればそれで十分だと思うんだけど?」
「………………」
「別に別れる訳じゃないんだからそんな重々しい感じで言ってこないでよね!」
私は笑いながら言った。
「まぁ、そりゃあさ…私も一緒の大学いけたらなって思うよ。でも、別々の道だってあるのはそんなの当たり前じゃん?」
「」
「…………
私もトーカといたい」
「!」
「長くなったけど"さっきの"答え。私は香月燈火とずっと一緒にいたい。離れてる期間が沢山あっても私はトーカを忘れる事はない……トーカも何があっても私を忘れないでしょ?それで十分だよ」
「……………」
「どうせ毎日、メールするんだろうから♡(笑)」
私はニッとトーカを見て笑った……
「…………矛盾はするけどさ……トーカとはずっと一緒に生きてく……何度も言うけどそれだけは覚えていてほしい」
「……………」
「………こ、これでいい?恥ずかしいんだからあまり言わせないでよね……////////」
私は我に帰ると自分が言ってることが"あまりにもマジで相当重い"ことだと気付き少し後悔しかけた……
「ユウ」
暫く黙っていたトーカがふと声を上げた……
「ん?」
「じゃあ、俺達は道が違ってもパートナーってことなんだな……」
「パ…////////!!!………まぁ、そうだね」
「……………すぅーーーー………はぁーー…!!!!!」
突如、トーカがいきなり深呼吸を始めた。
「ん?と、トーカ?」
「………良かった!!!!!」
そう私の方を向いて笑顔でそう言ってきた……
「それが聞けて安心した!!」
「え」
「俺達はずっと一緒!!これさえ分かれば俺も前に進めるよ!!」
「………………ふふっ……そーですかそーですか!」
私も思わず笑っていた。
「じゃあ、一先ずこの後は私の家に行きましょうねー」
「え……まさか俺と……」
「定期テストの勉強な?赤点取りたくないでしょ♡?」
「あ……はい………」
と言うことで私とトーカは私の家に向かった。
「でもトーカの将来の夢は宇宙飛行士なんじゃないの(笑)?」
「それはお前もな?小学校のアルバムに書いてあるんだから」
「アンタが勝手に書いたんだけどな」
最初は驚いたけど…
確かに今の私たちは"パートナー"だな。
そして私は思う……
どんなに家族に愛されていようと、
友達が沢山いても、
良い出会いがあっても、
結婚して家族が出来ても……
辛い時に直面している時はその大好きな人と離れ離れの時があるのはよくあること…
"そばにいてほしい"とか、
"助けて"や、
"抱きしめてほしい"と思おうと、その時に限って遠くにいると言うのが現実だ……
だからこそだ。
その大好きな人達との笑顔や楽しい思い出を思い出すことで自分を奮い立たすことが何よりも大事なんだと私は思う。
人に限らず"好きなアニメや漫画"を思い出してとかでもあるけどね……
ともかく、
私は"好きな人"の言ってくれた嬉しい言葉や笑顔を絶対に忘れないで心に留めておいてる……
それが……
それが私の……
離れ離れでも頑張れる源だから!
完
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