「私も声に出ないほど嬉しいのかな…」


 「いい買い物出来たねー」



 スズがそう言いながら水を飲む。



 今、私達は買い物を終えてショッピングセンターから離れたファミレスで休憩していた。



 「次はどこ行くー?」



 ハルが注文したプライドポテトを食べながら質問する。



 「どこでもいいんじゃない?まぁ……無難にボーリングかカラオケかスポッチャかだよね」



 スミがそう答える。



 「私はどこでもいいよ。みんなに合わせる」



 私はそう答えた。



 「……あ…じゃあ私の家にでも来る?」



 スミがふと言った。



 「いいの?」



 スズが質問する。



 スミの家……久しぶりだな…



 「今の時間帯は親もいないし少しは遊べると思うし」

 


 スミはそう朗らかな笑顔で言う。



 「スミちゃんの家って大きいもんね!」



 ハルは嬉しそうだった……














 と言うことで今、スミの家に向かっています。












 






 「ではいらっしゃーい♡」

 



 そして今、スミの家に到着しました。




 「「お邪魔しまーす」」

 「しまーす!!!」



 やっぱハルは元気がいいな。



 私ももう少し明るくなれば友達増えるかな……



 と、ともかく!!



 スミの家ははっきり言ってとても綺麗だ。



 玄関、廊下、リビング、座敷、脱衣所、階段、それぞれの部屋、全てに誇りひとつない。



 今まで訪れた一戸建ての家の中で一番綺麗でいい香りがする。









 が……







 「はーい入ってー」




 「うっはー!!やっぱスミちゃんの寝室は凄ーい(笑)」

 「全く変わらないね」



 ハルは元気よく笑い、スズも呆れ気味に笑う。



 そう……スミの寝室は……












 めちゃめちゃ散らかっている。











 「えー?これでも結構片付けたんだよー?」



 それでもはっきり言ってぐちゃぐちゃだ。



 服や下着、雑誌が床に散らばり、ハンガーには何故かバックが掛かっており、布団も床に落ちていて枕は勉強机の上に乗っかって、シャーペンは綺麗にベッドに寝かされている。CDはぐちゃぐちゃに寝室にある小さなテーブルの上に乗っかっている。そして後はゴミが床に散らばりまくっている。ペットボトルや本のカバー、空の箱とかがとにかくぐちゃぐちゃに寝室を占めている。



 生ゴミやお菓子の袋のゴミがないのは幸いだけど…







 「じゃあさー、少し片付け手伝ってくんない(笑)?」




 そう笑顔でスミは笑ってきた……





 始めからそれを計算して誘ってきたのか…?



 やっぱ計算高い……





 と言う訳で私達はスミの寝室掃除を手伝うことにした。






 数分後……







 「ねぇ、このゴミ箱に入ってたぬいぐるみはどこに置けばいい?」

 「あー、それはベッドに置いときたいからベッドに……て言いたいけど一応ファブリーズして干しといてー」

 「あ、スミちゃん、この漫画面白いよねー」

 「あ、でしょでしょー?ハルも持ってるのー?」

 「持ってるよ!!売ってる巻数は全巻持ってる!!!」

 「それじゃあ外伝の小説とかは持ってる?」

 「え、そんなのあるの?」

 「甘いなー、それも見ないと物語の本質が分からないじゃん?貸そうか?」

 「なるほど!!じゃあ貸して!!」

 「まぁ、その外伝もどこにしまっといたか忘れちゃったんだけどね(笑)」




 と、こんな感じで片付けをしている…




 「スミ、これはどこに置いとけばいい?」



 私は落ちていた写真立てを拾った。



 「あ、それは机の隣にある棚の上に置いといて」

 「分かったー…………あ」



 私はその棚に置いてあるある物に目が止まった……



 「んーー?どうしたの?」



 スミは私の方へきて私の頬に顔を寄せてくっついた。



 「これ、飾ってたんだね……」

 「え………




  あー……勿論!」



 スミは笑った…




 それは……




 私がスミと初めて話した"中学2年生の年"のスミの誕生日の時に上げた2人でスミの家の前で撮った写真だ。

 そして、どこかへ行った時のお土産の宇宙飛行士のキーホルダーを添えてある。




 それを棚に飾っていてくれた……



 埃も被ってなかった。




 「ユウとの思い出だからね……そりゃあ、とっとくよ?」

 「懐かしいな……これ、何で撮ったんだっけ?」

 「『いいプレゼントが思いつかないから今の私達を写真で撮って死ぬまでお互いに持っとこ?』って言ったんじゃん?」

 「そうだっけ?」

 「そうだよー……………」

 「スミ?」

 「………私達ってやっぱ変わらないね…」

 「!」

 「昔からずっとこんな感じじゃん?ユウは"宇宙バカ"で私はこんなズボラで適当だし(笑)」

 「宇宙バカって何?」

 「言ったまんまー(笑)」

 「………………」

 「そうやって頬を膨らますのも変わらないよねー」




 スミはクスクス笑う。



 まぁ、確かに変わらないのは認めるけど………






 「でもさ……」




 スミが間を空けて言った。



 「私はユウが大好きだよ?」

 「!!」

 


 そう言って顔を私の顔にくっつけたまま、私の手の指に自分の手の指を絡める恋人繋ぎをしてきた。



 「本当に私はユウと出会えて良かった」



 そう呟くようにスミは言った……



 それは……









 




 私もなんだよね……








 「………………」





 でもこの時は何故か声が出なかった……



 何故こんな一言も言えなかったのかは分からない……



 でも…スミの声が……



 本当に嬉しいって思ってくれてる声だったから……


 






 私も"嬉しくて"声が出なかったのかな…






 

 「あのー……」



 「「!!?」」



 私達はスズの掛け声に我に返った。




 「じゃ、邪魔しちゃって本当にごめんね?でも、その……ゴミを分類してまとめ終えたよ?」

 「あ、あー、ありがと!!ごめん、任せきりにしちゃって//////!!!」



 珍しくスミが顔を赤くして焦っていた。



 「いいよいいよー、いい絵面撮れたしー♡」



 

 そう言って私の後ろから抱きついてるスミの写真のスマホ画面をスズは見せてきた。




 「「ちょっ////////////!!!!」」




 私達は同時にハモる。




 「めちゃめちゃいい写真だよー?大人びた美少女二人の抱きつきあい………可愛い♡」



 「「……………//////」」




 やっぱこの中で"一番怖い"のはスズかもしれない………




 「それじゃあ私とスズちゃんが抱きついてる写真も撮ってよ!!」

 「!!!?」



 ハルが無邪気に八重歯を見せながらスズに抱きついて言った。


 スズは勿論、驚いていた。



 「あー、じゃあさっきの私達みたいな格好してよ♡」

 「はーーい♡」

 「ちょっ!!?私は撮るとは言ってな…」

 「じゃあ撮るよー♡?」



 抵抗するスズを無理矢理さっきの体勢に持ってこうとハルは動かした。


 それをスミはニヤリとニヒルに笑いながらスマホを構える……



 あー……



 やっぱ一番怖いのはスミかも…そして"ある意味"をつけたらハルも結構怖い……



 私はこの中で一番の常識人なんだろうなー……



 そう思いながら私は3人を見て…








 笑っていた♡








 「「」」(何も止めたり、収めたり、せず不敵に笑うユウがこの中で一番怖いかも………)



 スズとスミ……



 「」(ユウ……大好きだけど怖い……)



 そして、ハル……



 後日そう思われていたことを知りました。



 まぁ、それは言えてるかも……









 ともかく!!



 さらに暫くして……







 「よしっ!!!片付いたー!!」



 ハルは腕を上げた。



 「じゃあ、片付けも終わったしゲームでもしてく?それかアルバム見てからにする?」

 


 スミはそう言ってきた。



 「あ、じゃあ、アルバム見ようよ!!」


 

 スズがそう言った。



 



 という訳でこの4人で初めて出会った時の中学の頃のアルバムを見てました。





 「そういえば、修学旅行の時にユウは迷子になってたよねー」

 「あー、そうそう(笑)。それで他の学校の宿舎に行ってたんだっけ?」

 「や、やめてよ…!あれは……あれだから……//////」

 「ハルは、夜中の新京極で見つかったよね(笑)」

 「そうそう!!いやー、班で逸れちゃってさー(笑)」

 「問題児二人(笑)」

 「……………」



 ダキッ!!



 「そうだよー、私とユウは問題児ー!!!」

 「……嬉しくねぇ…」









 そして、その後はゲームして遊び楽しく過ごせました。






 また、遊びたいなと思う……






 トーカにも色々とあった事を話したいなとも思った。




 やっぱ遊ぶのって……










 楽しいや(笑)。





 それに私はみんなが大好き……











 この関係でずっと入れたらなっ……て







 



 本当に思う…









 完

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